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「アイリ!!!!」 「アクシズ、落ち着いて下さい……!!」 引き離され、アイリを失って冷静さを失い、 死の天使達がいなくなっても絶叫するアクシズを、 瞳に涙を溜めたディートが、彼を捕まえる腕に、 懇親の力を込めて止める。 時間が経ち、次第に落ち着きを取り戻すが、 今度は絶望感が襲い、ガクッと床に膝をついて項垂れる……。 勇者であるが故、止められなかった自分に対する悔恨の念と、 死の天使達への憎悪と、最愛のアイリを失った絶望。 「……。」 アクシズは、負の感情で押し潰されかけた自分を、必死で押さえ、徐に立ち上がる。 その様子に気付いたディートとスラリンが、彼に注目する。 痛みに悶えながら、騒動の発端となった天文学者ガルレオも、 悲哀の目で彼を見ていた。 __そうだ……。 俺は『勇者』だ……。 勇者であるアイリにとって、アクシズは『たった1人の勇者』だった……。 どんなに力が強くあっても、彼女の『心』はそうではなかった。 彼が今まで守ってきたものは、彼女の『か弱い心』だったのだ。 「アクシズ……?」 心配そうに、ディートが彼の名を呼ぶ。 そんな幼馴染に、アクシズは静かに問いかける。 「ディート……。 これから俺は、どうすればいい……?」 「……そうですね。 アイリさんを助けるにも、場所が解かりません……。 でも、神竜ならば願いを叶えてくれると……。」 「……そうだな……。 ありがとう……。」 自分が情けない事を言っているのは解かる。 聞かなくても、解かっている事を聞いているのは解かる。 __俺は、少し……混乱しているんだ……。 額に手を当て、アクシズは俯いた。 |
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