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アレフガルドに光が戻り、白亜のラダトーム城が見える。
闇の頃の面影はもはや無く、白い町並みは、輝きを帯びていた。

謁見の間。
凱旋した、勇者達を待っていたラルス一世は、
彼等が到着すると、感極まって涙を流した。
即刻、授与式が執り行われ、勇者アイリは皆の代表で王の御前で平伏した。

「勇者アイリよ。
 よくぞ、大魔王ゾーマを倒し、アレフガルド……、
 いや、全ての世界の平和を取り戻してくれた!!
 お主の功績を称え、この地に伝わる真の英雄の証、
 『ロト』の称号を与えよう!!!!」

ラルス一世は、更に声高に宣言する。

「勇者アイリ……。
 いや『勇者ロト』よ。
 お主の活躍は、後世にまで伝えられ、皆の心に永遠に残るだろう!!!!」

城内から、拍手と賞賛の歓声が上がる。
アイリは深く平伏した。
しかしラルス一世は、周囲を見回し首を傾げると、
今度はアイリの耳の傍で囁くように問う。

「して……。
 もう1人の若き勇者殿は、何処に行ったのじゃ?」

すると、彼女は苦笑して言った。

「彼、こういうの苦手なんです。」

「……に、苦手と言われても困るのだが……。」

おそらく彼にも何か用意していたのだろう。
狼狽する王に、アイリは更に語った。

「彼は、もう『ガイア』の称号を持ってます。
 元々、彼自身の家系がそうだったというか……。」

「『ガイア』とな……。」

ラルス一世は、尚も鳴り止まぬ歓声を背にし、
もう一度その名を呟いた。
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『DQ3』外伝CONTENTS