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「良かったのか?」 ラダトーム城下町、城門前。 オルテガが、アクシズに話し掛ける。 「いいんです。 俺は、そんな事の為に闘っていた訳ではないし。 オルテガさんこそ、いいんですか?」 「私は、何もしていないからな。」 「何もしていないって、そんな事ないのに……。」 アクシズは言って、自分の頬を擦(さす)る。 オルテガは苦笑した。 「手酷くやられたな……。」 「ええ……。 グレイって奴が、会うなり思いっきり……。」 __これ以上、アイリを泣かすな……か……。 グレイが言っていたことを思い出し、アクシズは苦笑した。 自分でも解かっていたが、実際はっきり言われると辛いものがある。 オルテガも、自分も人の事が言えた義理ではないので、 それに関しては、彼のフォローが出来なかったのだ。 「私達は、似ているのかもな。」 「俺が、オルテガさんとですか?」 「君は、まだいい。 だが、私は自分の『大切な人』に、もう何年も逢っていない……。」 「でも、ルシアさん。 オルテガさんが崩御したと報告があっても、 誰とも再婚せずに待っていたみたいですから。」 「……そうか。」 アクシズの言葉に、オルテガは俯いた。 きっと、ルシアはオルテガが生きていると、信じていたのだろう。 ふと、再会したアイリが返してくれた、 自分の結婚指輪を見つめる。 アクシズは、そんな彼を見て嘆息すると、温かく微笑んだ。 「オルテガさん。 今度こそ、ルシアさん離しちゃ駄目ですよ。」 「そうだな……。 ありがとう。アクシズ君。 アイリを頼んだよ。」 「はい……!! オルテガさんも、お元気で。」 握手を求められ、握手を返す。 オルテガとアクシズは、お互い顔を見合わせ微笑んだ。 |
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