<7>
アスラゾーマは、顔面を押さえながら後退る。
アイリは上体を起こし、大魔王を見上げる。
傍らには、倒れたラーミアの姿がある。
大魔王は怯みながらも、徐々に形態を戻していく……。

「さすが、ディート様。
 グッドタイミングですわ♪」

リオに褒められ、ディートは狼狽した。
首を横に振って否定する。

「いえ。
 先程の『イオナズン』は、僕ではありませんよ。」
「え?
 じゃあ、誰ですの?」

言われて、リオは周囲を見回す。
クリスや、エビルも同じように周囲を見回した。
一同は驚愕する。

__……!!?

『生贄の祭壇』の前に、人影が見える。
徐に、呆然としたまま動けない一同に向かって、歩み寄ってくる。

「アクシズ……!!」
遂に仲間の1人が、彼に声をかけた。



『ラダトーム城』休憩室。

__ここは?

随分眠っていた気がする……。
オルテガは、上体を起こし周囲を見回す。
今までの事を思い出す。

__確か、あの時、アクシズ君と一緒に闘っていた筈では……?

だが、負けて『勇者の魂』を吸収されたところまでは、流石に覚えていない。
彼が、しきりに頭を振って考えていると、部屋の外で食器の割れる音がした。

「大丈夫かい?」

オルテガが心配し、歩み寄ると、メイドの少女は驚愕し、身を震わせる。
そして……。

「オルテガ様が、生き返った〜〜〜〜〜〜!!!!」

何と、彼女は興奮冷め遣らぬまま、城内の者達に言いふらし始めたではないか!!!!

「?」

オルテガは、訳が分からず首を傾げた。
次へ
前へ
『DQ3』外伝CONTENTS