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アスラゾーマの強大な全魔法力が、炎に変換されつつある……!! __どうすれば……。 アイリは唇を噛み締め、炎を睨みつける。 『アストロン』を唱えるべきか……? 『アストロン』は、自分達を『鉄の塊』にする呪文である。 果たして、あの『炎』に耐えられるのだろうか……!? 炎で、鉄が溶ける可能性も十分に考えられる。 だが、考えている暇は無い!! __いちかばちか……。やってみるしかないわね。 アイリは、呪文詠唱の構えを取った。 覚えていても、実際に使用するのは初めてだ。 だから、呪文効果範囲が理解出来ない。 だが、他に耐える方法は考えられなかった。 アイリは、呪文詠唱を始める。 ……と。 「くううううぅぅぅぅ!!!!」 不意に鳥の声がして、詠唱を止める。 アイリは、驚愕した。 「ラーミア!!!!」 不死鳥ラーミアは、アスラゾーマに飛び掛り、 『マダンテ』詠唱を止めさせた。 更にラーミアは攻撃を続ける。 『うっとおしい!!!! 離れろ!!!!』 アスラゾーマは、ラーミアの足を掴み、床に叩きつけた。 怪鳥の悲鳴が上がり、周囲に羽が散乱する。 何度も、何度も、床に叩きつけられ、次第にラーミアは弱っていく……。 「やめて〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 アイリは叫んで、勢いよく駆け出し、アスラゾーマに斬りかかる。 オリハルコンの刃が、柄まで潜り込む。 援護する為、ディートが彼女に『バイキルト』を詠唱した。 力が更に増幅され、アイリは『王者の剣』を横に滑らせるように薙ぎ払った。 アスラゾーマの胴が割れ、青い血飛沫が上がる。 血飛沫と一緒に、無数の『魂』が解放され抜け出ていく!! 『ぐ、ぐおおおおお!!!!』 まさかの攻撃に、アスラゾーマが咆哮を上げる!! 耐え難い苦痛に喘ぎ、目の前のアイリを振り飛ばす!! 床に叩きつけられ、彼女は苦痛に呻いた。 「アイリ!!!! 逃げてください!!!!」 リオが叫ぶ!! だが、アスラゾーマが、形態を戻しながらも、 今度はアイリの『勇者の魂』を得ようと、手を振り翳す!! だが、それは達成されず、アスラゾーマの頭上で、 『イオナズン』の大爆発が起こった!! |
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