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『ゾーマ城』最下層。 『大魔王の間』、最奥部。 アスラゾーマは、腕を振り翳し、アイリ目掛けて拳を叩き込む。 彼女が後方に避けると、拳は空を切り、床に穴を開ける!! 間合いを取った後、自分の身体を弾くように低く跳躍すると、 大魔王の前で『王者の剣』を横に薙ぎ払った。 アスラゾーマは、薙ぎ払われた刃を掴む。 掴んだ掌から青い血が滴るが、構わず、『王者の剣』ごとアイリを振り飛ばした!!!! 彼女の華奢な身体は、『生贄の祭壇』まで飛ばされ、 階段に激突し、石段を粉砕させる!!!! だが、彼女は怯まない。 瓦礫を崩し、徐に立ち上がる。 「アイリさん。援護します!!!!」 賢者ディートが、勇者アイリに『バイキルト』を詠唱し、攻撃力を上げる。 続いて僧侶リオも、彼女に『ピオリム』を詠唱。 一同の素早さが上昇する!! 『覚醒』しているものの、自覚はある……!! アイリは、彼等に向かって微笑むと、『王者の剣』を握りなおし、 アスラゾーマを見据えた。 「いかん!! あまり、意味無かったかもしれんぞ……!?」 詠唱のような構えを取るアスラゾーマを目にし、エビル(バラモスエビル)が狼狽した。 言うが早いか、大魔王から『いてつく波動』が放たれ、 呪文の効果が全て掻き消されてしまう!!!! 「それでもいいわ。 皆、私を援護して。」 凛とした声で、アイリが指揮を執る。 瞳は鋭く前方のアスラゾーマを見据えたままだ。 とにかく、奴に隙を与えてはならない……!! ……と、大魔王は冷たく微笑した。 『勇者アイリ……。 そろそろ、終わりにしようか……。』 アスラゾーマが全ての腕を頭上に掲げた。 その構えを見て、ディートは驚愕する。 __アクシズの『マダンテ』!!? 炎の塊が大魔王の頭上で凝縮されていく……!! |
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