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仲間達は、まだ諦めていなかった。
相変わらずアスラゾーマは、余裕の笑みを浮かべて、
彼等と遊んでいるかのように対峙している。

「ふざけんなあああ!!」

いきり立った戦士クリスが、『バスタードソード』を横一文字に薙ぎ払い、
アスラゾーマの胴を切り裂いた。
いくらパワーアップしているとはいえ、傷つけられない相手ではない!!
クリスの攻撃に景気付けられ、エビルも続いて『破壊の鉄球』を振り翳す。
鉄球は、受け止めようとしたアスラゾーマの指を捻じ曲げた。

__皆、やってますわね……。

リオは、ディートに『ベホマ』を施しながら、
クリスとエビルの攻防を見守る。
その時、やっと完治したのか、ディートが徐に上体を起こした。

「リオ、心配かけたね……。」

「もう、大丈夫なんですの?」

心配そうに問うリオを、答えの代わりにディートは優しく抱き締めた。
彼の行動に、思わずリオは驚愕する。
彼女の瞳が揺れる……。

その時だった。

『生贄の祭壇』の前に人影が見える。
徐に、戦闘中の彼等のもとへ近づいてくる。
一同は異変に気付き注目した。

「アイリさん……!?」

ディートとリオは身を離すと、
近づいてくる勇者アイリを呆然と見つめた。

彼女の表情は凛としており、
アスラゾーマを静かに見据えている。
周囲は彼女から発せられるオーラの所為で、放電現象を起こしている。
だが、明らかに『覚醒』を起こしているものの、精神はアイリのままであった。

「アスラゾーマ……。
 アクシズを返してもらうわ……。」

勇者アイリと、アスラゾーマの視線が鋭く交差する。
アスラゾーマは、冷たく微笑した。

『やっと本領を発揮したか。
 勇者アイリ。
 そうでなければ、面白くない。』

アイリは、『王者の剣』を鞘から抜き放ち、アスラゾーマを静かに睨み付けた。
まるで前世因縁の宿敵を見るような目で……。
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『DQ3』外伝CONTENTS