<7> | ||
仲間達は、まだ諦めていなかった。 相変わらずアスラゾーマは、余裕の笑みを浮かべて、 彼等と遊んでいるかのように対峙している。 「ふざけんなあああ!!」 いきり立った戦士クリスが、『バスタードソード』を横一文字に薙ぎ払い、 アスラゾーマの胴を切り裂いた。 いくらパワーアップしているとはいえ、傷つけられない相手ではない!! クリスの攻撃に景気付けられ、エビルも続いて『破壊の鉄球』を振り翳す。 鉄球は、受け止めようとしたアスラゾーマの指を捻じ曲げた。 __皆、やってますわね……。 リオは、ディートに『ベホマ』を施しながら、 クリスとエビルの攻防を見守る。 その時、やっと完治したのか、ディートが徐に上体を起こした。 「リオ、心配かけたね……。」 「もう、大丈夫なんですの?」 心配そうに問うリオを、答えの代わりにディートは優しく抱き締めた。 彼の行動に、思わずリオは驚愕する。 彼女の瞳が揺れる……。 その時だった。 『生贄の祭壇』の前に人影が見える。 徐に、戦闘中の彼等のもとへ近づいてくる。 一同は異変に気付き注目した。 「アイリさん……!?」 ディートとリオは身を離すと、 近づいてくる勇者アイリを呆然と見つめた。 彼女の表情は凛としており、 アスラゾーマを静かに見据えている。 周囲は彼女から発せられるオーラの所為で、放電現象を起こしている。 だが、明らかに『覚醒』を起こしているものの、精神はアイリのままであった。 「アスラゾーマ……。 アクシズを返してもらうわ……。」 勇者アイリと、アスラゾーマの視線が鋭く交差する。 アスラゾーマは、冷たく微笑した。 『やっと本領を発揮したか。 勇者アイリ。 そうでなければ、面白くない。』 アイリは、『王者の剣』を鞘から抜き放ち、アスラゾーマを静かに睨み付けた。 まるで前世因縁の宿敵を見るような目で……。 |
||
■この次の[STORY_22]へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |