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ゾーマの城。 地下最深部『大魔王の間』最奥部。 勇者の代役で、戦闘の指揮を執る賢者ディート。 アスラゾーマは、的確に指示を出すディートを称讃する。 余裕の冷たい表情で……。 『賢者君。失礼した。 ワシはお主を見縊(みくび)っていたよ。 名前はなんと言う?』 聞かれて、ディートは額に汗を浮かべた。 名を問われるということは、次の攻撃対象は『自分』ということになる。 敵陣で、ただの人間が素性を明かすのは、あまり利口な事では無い。 相手は同じ人間ではなく、大魔王だ。 酷い時は、末代まで呪われる可能性だってある。 『言わんのか?』 「全然、無関心だったのですね。 さっき、彼女達の会話の中に出てきましたよ? 僕の名前……。」 『おお。そうであったな。 [ディート]君。思い出したよ。』 アスラゾーマから、ディートに向かって、『メラゾーマ』の火球が放たれた!! 彼は、咄嗟に『マホカンタ』を詠唱し魔法壁を出現させる。 火球はUターンすると、術者の顔の前まで戻る。 アスラゾーマは、火球を握り潰す。 『覚えているか? [メラゾーマ]は[勇者アクシズ]の得意技だったものだ。 そして、こんな芸当も出来るのだよ……。』 数ある腕の掌を一斉に翳し、アスラゾーマは微笑した。 掲げた腕と頭上中央に、プラズマが収束される。 最初、一同は『イオナズン』だと思ったらしい……。 だが違う!!!! 「皆、伏せろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 エビルが叫び、『いてつく波動』を放つ。 それは、プラズマをいくらか掻き消したが、 それでも間に合わなかった。 城内で大爆発が起こる……!!!! |
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