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「アイリさんが、ゾーマと闘っているだと……!!!!?」 カンダタの話を一部始終聞き、グレイは叫んだ。 思わず耳を塞ぎ、カンダタは目を細めて彼を睨んだ。 __なんでぇ。コイツもアイリに惚れてんのかよ……。 意外とモテモテじゃないか。 カンダタは嘆息した。 よく見れば、グレイも精悍な容姿の美青年だ。 アクシズといい、何処かの王子といい、『勇者』というより彼等にとっては、 まるでお姫様のように、アイリは愛されてしまっている。 グレイはいきり立って叫ぶ。 「あんな、『か弱き』女性に闘わせるなど、言語道断!! 今すぐ、助けに向かわないと!!」 しかし、グレイは知らない。 彼の恋するアイリは、アクシズを抱き締めたまま、動けない状態だ。 行っても、厳しい現実が彼を待っているだけである。 しかも、このことを知れば、今度はアクシズに惚れているエルマが傷つく。 まったくもって複雑怪奇な恋愛事情……。 人生には、知らない方が『まるく収まる』場合が沢山ある……。 とりあえず呆れたカンダタは、面倒くさそうに問うた。 「お前らなあ。 今、俺が『誰』抱えているか解かるか?」 言われて、レジスタンス一同は気が付いた。 一番最初に口を開いたのは、吟遊詩人ガライだ。 「……勇者オルテガ様……ですか?」 一同は驚愕した。 オルテガの遺体の傷は、蘇生呪文『ザオリク』で完治しているものの、 その上半身は夥しい血の跡で汚れている。 「『ザオリク』で、生き返らなかったのか?」 グレイの問いに、カンダタは俯き、首を横に振った。 「あいにく『魂』が無いんだ。 ゾーマに吸収されてな……。」 今度はガライが、ふと感じた疑問を口にする。 「じゃあ、ゾーマを倒せば、彼は生き返るのですか?」 「リオの奴が、何度もオルテガに『ザオリク』かけやがったから、 嫌でも強制的に生き返るだろ。」 カンダタの台詞に、一同は安堵の表情を浮かべる。 だが、勇者達は、大変な事態に直面していた……!! |
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