＜6＞
	地上界。 ダーマ神殿。 「雪が完全に溶けましたね……。」 神官の1人が、大神官バサラに声を掛ける。 バサラは唸って、空を見上げた。 ＿＿何故か、空が騒がしい……。 その時、空に信じ難い程、巨大な鳥が現れた。 地上に生じた影の大きさからも、普通の大きさではないことは理解出来る。 「な、なんじゃ!! 　あの、巨大な鳥は!!? 　ま、まさか、アレが不死鳥ラーミアか……!!?」 天界から降りてきたかのように急降下し、ラーミアは飛び去っていく。 その行き先は……。 ＿＿まさか、『ギアガの大穴』か……？ いったい何の為に？ バサラは、不思議な現象に首を傾げた。 その時、1人の旅人が神殿を訪れる。 どうやらホビットのようだが……？ だが、バサラには覚えがある。 「おお。 　お主は、勇者オルテガ殿の仲間のホビットのゲイルか……。」 「そう……。 　世界樹の付近に住んでおりましたが、異変を聞きつけやってきました……。」 「異変？ 　ワシは何も聞いておらぬが……。」 バサラが首を傾げると、ゲイルは嘆息した。 「知りませんか？ 　大魔王ゾーマが、『オルテガ』様、『サイモン』様、『アクシズ』様の 　『勇者の魂』を吸収して、完全体『アスラゾーマ』となり、 　『天界』目指して向かおうとしていることを……。」 衝撃の事実に、バサラは愕然となった。 ＿＿アクシズ達は止められなかったのか!!? 「とにかく、最後の希望はオルテガ様の娘、勇者アイリ様だけです。 　不死鳥ラーミアは、彼女の支援に向かったのでしょう。 　ある意味、彼女はラーミアの親みたいなものですから……。」 ゲイルは、力強く言った。
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