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『ゾーマの城』地下最深部。 大魔王の間。 ゾーマは、更に取り込んだ『勇者の魂』の影響で、 最終形態への進化を始めた……!! 仲間達が震撼し、警戒心から身構える中、 アイリだけは、アクシズの遺体を抱き締め、座り込んだまま動けない……。 『ぐおおおおおお……。』 ゾーマの咆哮が城内に響き渡る。 ディートは、放心状態のまま動かないアイリを見て、嘆息した。 このメンバーで勇者以外に指揮を執れるのは、賢者ディートだけである。 __こんな事態になるなんて、誰が予測できたでしょうか……!!? ディートは装備していた『賢者の杖』を『奇跡の剣』に持ち替え、 攻撃態勢に入る。 僧侶リオは、『復活の杖』を装備した。 戦士クリスは『バスタードソード』を装備し、『破壊の鉄球』をエビルに渡した。 エビルは、『破壊の鉄球』を装備し、素手状態をやめる。 ゾーマが最終形態『アスラゾーマ』に変貌を遂げる。 アスラゾーマは咆哮を上げ、数有る腕を振り翳す。 彼の身体から、闇の波動が発せられる。 だが、こちらには『いてつく波動』が使用できるエビルがいるので その攻撃はなんとか回避できそうだ……。 「いいですか!!? アスラゾーマの目的は『神竜』の封印です!!!! 絶対に奴を、この城から外に出してはいけません!!!!」 ディートは皆に向かって叫んだ。 「解かっていますわ!!!! 闇の衣が無くなっても、有利になった訳ではありませんわ。 なんせ『普通のゾーマ』じゃあ、ありませんものね!!!!」 リオがそれに答える。 「勇者抜きで、しばらく頑張るしかないって訳だ……。 アイリ……。」 早く復活してくれと言わんばかりに、クリスがため息をつく。 __アイリ……。お前は、『最後の勇者』なんだぞ!? エビルは、動かないアイリを見つめた。 彼等だけでいったいどこまで持ちこたえられるのだろう……? とにかく、こうなったら、命を懸けてでもアスラゾーマを外に出してはならない。 アスラゾーマは、目を見開き、ディート達を見据えた。 |
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