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__……!!!! 勇者アイリは目を見開き、その凄惨な光景に愕然とした。 バラモスゾンビが、重心を崩しながらも、勇者達にかかってくる!! 彼女はかつての宿敵に、剣をなぎ払い骨を粉砕させた!! 本当の意味で敗れたのか、バラモスゾンビは灰となって消えてしまう。 勇者アクシズを貫くゾーマの指から淡い光が発せられ、 徐々にゾーマの全身を包み始める……!! 「やめてえええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 瞳に涙を溜めながら、アイリは必死で訴える!! だが、野望達成間近の大魔王の耳には聞き届けられない。 「アイリ!! 『光の玉』があっただろう!!!! それを使え、早く!!!!」 エビルが放心しかけたアイリに叫んだ。 思い出したように、自分の道具袋の中の『光の玉』を取り出す。 彼女の手が『光の玉』に触れると、溢れんばかりの光が城内を包み込んだ!! 気にせず、そのままゾーマに向けて『光の玉』を掲げる!! 『ぐ、ぐおおおおおおお!!!!』 ゾーマを覆っていた闇の衣が剥がれる……!! 弱点を突かれたのか、怯むとアクシズを離した。 慌てて賢者ディートがアクシズの元に駆け寄り、彼を抱きかかえてアイリ達の所へ戻る。 「アクシズ!!」 泣き叫んで、アイリは彼の傍にへたり込む。 アクシズの傷は深く、上半身は夥しい血で汚れていた……。 僧侶リオが、彼の首に指を当て脈をみるが……? 「……ごめんなさい。 もう、手遅れですわ……。」 「リオ……!?」 愕然とし悲痛な表情をする幼馴染に、リオは嘆息すると、蘇生呪文『ザオリク』を詠唱する。 勇者アクシズの遺体の傷は完全に治ったのだが……。 リオは俯き首を横に振る。 やはり生き返らない……。 「お願い、戻ってきて!!!! 独りでいかないで!!!! ……アクシズ、死なないで……。」 どうしようも無い現実が、アイリを襲う。 絶望感で放心したまま、動く事を忘れる……。 __これからどうすればいい? 勇者2人が戦闘不能状態になってしまい、エビルは嘆息する。 ゾーマの形態が徐々に変わりつつある!! ゾーマは、『アクシズ』の『勇者の魂』を吸収していた。 |
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