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__実質、一対一か……。 逆に好都合だ。 だが、彼の疲労も、倒れたオルテガと同じく限界に達している。 アクシズは二刀の『ガイアの剣』を両手で構え、間合いを取った。 『こちらから行った方が良いか? それとも、そちらが先攻で行くか? 最期くらいは選ばせてやろう……。』 __余裕だな……。 額に汗が浮かぶ。 ゾーマは『勇者オルテガ』の魂と、『勇者サイモン』の魂を既に吸収し、 その姿を著しく変化させていた。 そして更に、サイモンの息子である『勇者アクシズ』の魂も欲している。 「俺は元々、アイリと貴様を闘わせたくなかったんだよ!!!!」 叫んで跳躍すると、ゾーマに向かって『ガイアの剣』を振り下ろす!! 刃は衣服を斬り裂き、皮膚まで達したが、 ゾーマはアクシズの胸倉を強引に捕まえた!! 『もっと自分を大事にした方がいいぞ?』 「五月蝿い!!」 アクシズは、左手の『ガイアの剣』をわざと下に落とし、 呪文詠唱の構えを取った。 だが、ゾーマは冷たく嘲笑する。 『やってみろ。』 アクシズは、その余裕の挑発に怒りを覚え、『イオナズン』を詠唱した!! 片手だけだが、プラズマが球状に収束され、ゾーマの顔の前で爆発が起こる!!!! ……が。 アクシズは驚愕した。 闇の衣に包まれたゾーマの顔は無傷で、呪文の効果が全くない!!!! 『言ったであろう? 最期くらいは選ばせてやろうと……。』 ゾーマは、床にアクシズを叩き付けると、今度は首を押さえた。 腕を掴み必死に抵抗しようとしたが、ゾーマの全部の指が無情にも、 彼の胸板と腹部を貫いた!!!! 「ぐああああぁぁぁ!!!!」 彼の絶叫が城内で木霊する……!! |
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