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「無事だったのね!!」 アイリは、嬉しそうに微笑み、 ブロス(バラモスブロス)に近寄ろうとするが……。 「こ・ろ・す……。」 感情の無い声。 機械的な動作……。 「アイリ!! そいつは、いつものブロスじゃない!!!!」 エビルは叫んで、彼女を突き飛ばすと、 代わりにブロスが振り翳した拳の餌食になる!! エビルの巨体が床に沈み、石畳に亀裂を生じさせる!! __どうして……!? アイリは驚愕して、ブロスに視線を移すが……。 そんな彼女の反応に興味を示したのか、ゾーマ本人が語りかけてきた。 『どうだ? そやつは今、ワシの従順な部下だ。 どんな言う事でも聞く。』 「ブロスに何をしたの!!?」 アイリは叫んだが、ゾーマは不敵に冷たく微笑し、驚くべき真実を告げた。 『奴がワシに[謀反]を起こそうとしたから、 少し仕置きをしてやった。』 要するに、完全に洗脳したのだという……。 ブロスと取っ組み合いになりながらも、ゾーマの言葉を耳にしたエビルは、 ふと、視線をブロスの額に移した。 彼の額には四つの傷跡があり塞がっているものの体液が染み出ている……!! __脳に直接命令を下したのか……!? エビルは、奥歯を噛み締め、地に足を踏ん張る。 襟と腰の紐を同時に掴み、背負い投げた!! ブロスの巨体は頭から落ち、装飾品を破壊し止まる。 しかし……。 ブロスは痛みすら忘れてしまったかのように立ち上がり、 何事も無かったかのように首を交互に鳴らす。 『なかなか使えるであろう? エビル。 この戦闘が終わったら、お前も同じようにしてやろう……。』 ゾーマはエビルを見つめ、微笑した。 望んでもいない言葉に、エビルは鳥肌がたつ!! 『勇者の魂』以外にも、ゾーマの狙うものが存在したらしい……。 __冗談じゃないぞ……!! まさか、エビルだったとは……。 |
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