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キングヒドラは、祭壇に向けて全ての首に力を込め 燃え盛る火炎を放射した。 咄嗟に、ディートが『フバーハ』を詠唱し、炎を軽減する。 だが、ダメージは避けられない……!! リオは、パーティ全員に『ベホマラー』を詠唱し、皆の傷を癒した。 「サンキュー、リオ!!!!」 アクシズは、祭壇から飛び降り、そのままキングヒドラの背中に乗った!!!! キングヒドラは、彼を必死に振り落とそうとする。 「止・ま・れ!!!!」 アクシズは魔物に言い聞かせるように叫び、2本の『ガイアの剣』を背中に突き立てる。 刃は鱗の隙間を突き抜け、柔らかい皮膚に達する。 それは神経を直接刺激し、キングヒドラは耐え難い苦痛にもがく。 巨体の魔物は、激しく身を揺らし始め、 アクシズは耐え切れず振り落とされて地面に強打する!!!! 「ぐ……!!」 脳震盪を起こし、彼は立てない。 「アクシズ!!!! 大丈夫!!?」 アイリが慌てて彼に駆け寄り、『ベホマ』を施した。 アクシズが回復したのを見計らって、 キングヒドラに向けてアイリは呪文詠唱の構えを取る。 __……。 目を閉じて両手を翳すと、周囲に放電が起こり球状に溜められていく。 完全にエネルギーが充填されると、アイリは目を見開き、凛とした声で鋭く叫んだ!! 「皆、離れて!!!!」 電撃系最高呪文『ギガデイン』が放たれ、 キングヒドラを中心に激しい稲妻が走る!!!! 同時に凄まじい爆音が鳴り響く。 一同は、彼女の呪文の威力に呆然となる。 『ギガデイン』は消耗が激しいはずだが、 彼女の魔法力に余裕が出来たのか、持ちこたえている。 __もう、連発出来るかしら? ふと、アイリは考える。 その攻撃を受けたキングヒドラは、黒焦げの巨体を揺らし、 崩れるようにその場に倒れた。 そして、溶けるように元の人間の形態に戻っていく。 「……意外と、あっけなかったな……。」 アイリの傍まで歩み寄り、アクシズは静かに言った。 |
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