大魔王ゾーマの表情は相変わらず変化が無い。
勇者達を余裕で見下ろしたままだ。

ゾーマの城、地下最深部。
『大魔王の間』の入り口に『生贄の祭壇』があり、
奥は溶岩に囲まれた謁見の間があった。
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勇者アイリは、右手の『王者の剣』を握りなおす。
父の『魂』を奪われた怒りからだろうか……?
彼女の全身から、微量の電撃が走り始めた。

「落ち着け。
 アイリ。
 怒りに身を任せるな……!!」
アイリの『覚醒』の理由を知っているエビル(バラモスエビル)は、
彼女を諭す。

一同が、全員戦闘態勢に入ったのを見届けると、
ゾーマはさも嬉しいと言わんばかりの不気味な笑みを見せた。
そして、踵を返し、ゾーマは奥の玉座まで戻っていく。

「待て!!!!」

勇者アクシズは叫んで、『生贄の祭壇』の階段を駆け下りようとしたが、
突然現れたキング(キングヒドラ)に行く手を遮られる!!!!
キングは、アクシズを見ると、冷たく微笑した。

「まだ、私の任務は完全遂行されていませんのでね〜〜♪」
そう言って、自らのフードを脱いだ。
アクシズは片目になったキングの顔を見て驚愕する。
「回復出来なかったのですよ……。
 コレだけはね。」

「アクシズ、どうしたんですか!?」
賢者ディートが、階段途中で止まったままの勇者アクシズに声を掛けた。
アクシズの前には、キングが居り、その形態を変化させていく……!!!!

__!!?

ディートは、その異様な光景に、思わず愕然となった。
キングは、完全なキングヒドラの姿に戻り、巨大な身を震わせて咆哮した。

「……!?」
アイリも、異変に気がつき『生贄の祭壇』から見下ろす。
唖然として僧侶リオが尋ねた。
「あれ、何ですの?」

__父さんの仇……!!

階段を駆け下り、アイリは『王者の剣』を振り翳し、稲妻を呼び寄せた。
「アイリ……!?」
アクシズは、いきり立つ彼女に唖然としたが、
唇を噛み締め『ガイアの剣』を握りなおし自分も続く。
戦士クリスは、アイリから譲り受けた『バスタードソード』を鞘から抜き、
キングヒドラの首に斬りかかる!!!!

ゾーマは、彼等が戦闘を始めたのを見届けると、口の端を上げ含み笑いをした。
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