<6>
ゾーマの城最深部、『大魔王の間』。

生贄の祭壇があり、奥は闇で何も見えない。
しかし、異様な気配と、ただならぬ殺気。

勇者アイリは、胸に掛けられた『聖なる守り』を握り締めた。
ココまで付いて来た仲間は、
勇者アクシズ。
賢者ディート。
僧侶リオ。
戦士クリス。
エビル(バラモスエビル)。

他のメンバーは、勇者オルテガの遺体を守る為、残っている。

一同はお互い顔を見合わせると『生贄の祭壇』を、登り始めた。
……と、同時に、闇の城内に明かりが灯り出す。

『我が[生贄の祭壇]へよくぞ参った……。
 勇者アイリ。そして、勇者アクシズ。
 ワシは、どれ程お前達を待ちわびただろう……。』

大魔王ゾーマが、玉座から立ち上がり、徐に歩み寄る。
そして、『生贄の祭壇』の前にその巨体を露にした。
だが……!!?

「そ、そんな姿ではなかった筈だ!!!!」
エビルが驚愕して叫ぶ。
その反応は、以前アリアハンで大魔王ゾーマの姿を見たことのある、
勇者アイリも同じことだった!!!!

ゾーマの腕が増え、その全身が禍々しい色に染まっている!!!!

「『アスラ』……!?」

突然、賢者ディートが思い出したように口を開いた。
大魔王ゾーマ……いや、アスラゾーマは、ディートを見下ろし冷たく嘲笑した。

『さすが、君は賢者だ……。
 褒めて遣わそう。
 だが、これはまだ完全ではない……。
 奴(神竜)に対抗する為には、もっと[勇者の魂]が必要だ。』

今後、更に『勇者の魂』を得れば、ゾーマは完全体となる。

勇者アクシズは、2本の『ガイアの剣』を鞘から引き抜き、二刀流の構えを取る。
勇者アイリも、右手で『王者の剣』を鞘から抜き、『勇者の盾』を左手で構える。
仲間達も、彼等に続いて、次々に構えを取った。

だが……。
ゾーマは冷たく不敵に嘲笑したままの表情を変えない。

__いったい何を考えている……!!?

勇者アクシズはゾーマを睨みつけ、剣の柄を握る手に力を込めた。
この次の[STORY_19]へ
前へ
『DQ3』外伝CONTENTS