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地下世界アレフガルド。 『ゾーマの城』地下水路。 仲間達は、オルテガの遺体を抱えたまま動かないアクシズと、 冷たくなった父の手を握ったまま呆然としているアイリの姿に、驚愕する。 僧侶リオは、瞳に涙を溜めつつも、オルテガの遺体の傍に近寄り、 蘇生呪文『ザオリク』を詠唱する。 遺体の傷は癒され、魂が戻る準備は出来た。 だが……。 「生き返らないぞ……?」 盗賊カンダタが、不審に思った事を口にする。 蘇生呪文『ザオリク』ならば、10割の確立で成功する筈である。 __まさか……!!? リオは狼狽したが、何度もオルテガに向かって『ザオリク』を詠唱した!!!! しかし、一向に変化が表れない。 彼女は顔面蒼白になり、頭を抱え、しきりに首を横に振る。 「そ、そんな!!!! 『魂』が無い……。 何処にも『オルテガ』様の『魂』が無いんですの!!!!」 「……!!!!?」 リオの言葉に一同は愕然となる……!! その時だった。 城内全体が揺れだし、天井から砂が降ってくる。 「父さんの『勇者の魂』が……ゾーマに吸収された?」 勇者アイリが自分でも信じ難い言葉を口にする。 それは真実であり、決してあってはならない事だった。 離れた所にいるとはいえ、 大魔王ゾーマの力が、更に強大なものになっていると解かる……!! 父が、蘇生呪文で生き返らないのが何よりの証拠である。 「……もう、大魔王ゾーマを倒す以外、道は無い……。 ゾーマを倒し、『魂』を開放すればオルテガさんも生き返る。 親父だって、昇天できる……。 絶対、こんな不条理な事が許される筈が無い……!!!!」 オルテガの血に染まった掌を握り締め、勇者アクシズは唇を噛み締める。 彼の言葉に、勇者アイリを含め、仲間達も同時に頷く。 だが、大魔王ゾーマの『勇者の魂』を求める欲望は、これで止まる事は無かった……。 |
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