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「……では、そろそろ終わらせましょうかね……。」 キングヒドラは嘲笑したような声で、勇者2人を見下ろす。 そして、今度は首ではなく、自らの尻尾を薙ぎ払った!!!! アクシズとオルテガは耐え切られず、共に地下水路に振り落とされる。 勇者達に向かって、今度は大口を開けて巨大な首が、目前に迫ってきた!!!! オルテガは反射的に横に飛びのく。 だが、アクシズは、その巨大な口に向かって呪文詠唱の構えをとった。 彼の周囲に無数のプラズマが発生し、徐々に収束されていく。 そして、爆発呪文『イオナズン』が発射された!!!! ソレはキングヒドラの柔らかい口内を直撃し、片眼を吹っ飛ばす。 苦痛に耐えかね、5本の首を一度に振り回す。 無造作に炎が撒かれ、そしてキングヒドラは落ち着いた……。 しかし、正面の1本の首の片眼が無い。 心なしか、キングヒドラの5本の首が、怒りの表情に見える……。 キングヒドラは、空気を震わせ唸り始めた。 アクシズは苦笑した。 「貴様が、怒るなんて珍しいな……。」 「ケース・バイ・ケースですよ……。 私は、元々、貴方が嫌いですからね……!!!!」 キングヒドラは、アクシズに向かって前足を振るった!!!! だが、攻撃は当たらない。 __なるほど……。しかし、無茶をする。 勇者オルテガは、勇者アクシズの戦術に思わず感心する。 苦笑したが、終わったわけでは無い。 キングヒドラを倒すまで、彼等はゾーマまで辿りつけない!!!! だが……。 勇者オルテガの視線は、地下水路に架かる橋の対岸に釘付けになっていた。 彼にとって、信じ難い光景が目に映る!!!! 対岸に佇む1人の少女。 勇者アイリが其処に居る……!!!! 勇者としての武装をしているが、その肢体は華奢で可憐だった。 父と娘の目が合う。 娘は思わず顔を綻ばせ、父の名を呼んだ。 「父さん!!!!」 オルテガは、娘との再会に、つい表情が柔らかくなる。 ……だが。 キングヒドラは、そんな彼の『隙』を見逃しはしなかった。 |
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