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『ゾーマの城』城内。
地下水路に架かる橋の前。

勇者アクシズと勇者オルテガは、
キングの真の姿『キングヒドラ』相手に戦闘を続けていた。

勇者2人は長期戦の構えで挑んでいるものの、
前回の激戦から全くの不眠不休でここまで来ているのだ。
そろそろ2人の疲労も、限界に近づいている。

「……しつこいですね〜〜……。」

キングヒドラは、しぶとい勇者達に呆れて深い声を出す。
だが、彼の首は5本ある。
傍目からは、どの首から言葉を発しているのか解からない。

勇者2人は、キングヒドラを挟んで両側から身構えていた。
両者既に肩で息をしている。

巨体の魔物を効果的に攻撃する方法は、確かに存在する。
丁度、人間が害虫の被害に遭うように。
だが、ソレは危険を伴う。
アクシズは苦笑して、『ガイアの剣』を握りなおした。

__『炎の耐性』も、何処まで適用されているか、判らないものな……。

アクシズは、向こう側のオルテガに視線を移す。
すると、彼も視線で返してきた。
いったい何をしでかすつもりか……?
オルテガは狼狽したが、アクシズはお構いなしと、今度はキングヒドラを見上げる。
巨大な魔物は、若き勇者を見下ろした。
戦闘が中断され、交互に会話が続く。

「……何を考えているのですか……?」

「……それは貴様も同じだろ。
 タダでさえ理解できない性格だったのに、
 5本の首になってから、もっと解からん……!!」

「……そんなに、褒められると照れますね〜〜♪」

「褒めてない!!!!
 勘違いするな!!!!」
いきり立ってアクシズが叫ぶ。
思わず拍子抜け、オルテガは唖然としたが、ちょっとした息抜きには丁度良かったようだ。

……と、キングヒドラは、2本の首を両側の勇者達に向かって振り下ろした!!!!
2人は跳躍して避けると、間合いを取って更に後に引く。
つかの間の休息も終わり、戦闘態勢に入る。

策を使うべきか……。
アクシズは何かを考えているようだった。

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