闇の地下世界アレフガルド。
イシュタル島。

周囲は、雪で覆われ始め、大地を白く染める。
だが今は闇の中ゆえ、その白さは確認が困難かもしれない……。
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「あ、ブロス様。
 お探ししたのですよ!!」

『ゾーマの城』最深部に位置する、地下司令室。

大魔王の間から出てきた総司令官ブロス(バラモスブロス)の姿を、
部下の1人、サタンパピーが見つけ声を掛けた。

「……。」
ブロスは、無言で部下を見下ろす。
その目に光は無い。

「?」
部下達はそんな上官の様子を、不審に感じたが、
そんな彼等を制して、ブロスは命令を下し始める。
抑揚の無い声で……。

「何をしている……。
 早く、ゾーマ様の為に『勇者の魂』を手に入れてこぬか……。
 『勇者オルテガ』『勇者アクシズ』『勇者アイリ』の3人が、
 城内に揃っていると聞いたが……。」

部下達は狼狽して慌てた。
その内1人が今現在の状況を語り始める。

「そのことでしたら、只今、キング様が戦闘中です。
 ……本来の姿に戻ってですが……。」

「……そうか。」

ブロスは無表情のまま答えた。
部下達は、互いに顔を見合わせ首を傾げる。
いつもならば、ブロスは慌てて取り乱しそうなものだが……?

__ブロス様は、いったいどうなされたのだろうか……。

サタンパピーは心配そうに総司令官を見つめる。
『大魔王の間』から戻ってから、ブロスの様子がおかしいのである。

ブロスの命令で、部下達は地下司令室を出て行く。
この城内で『何か』が起こっている……。
唯一取り残されたサタンパピーは、湧き上がる疑惑を胸に秘め、
自らも部屋を跡にした。
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