地下世界アレフガルド。 中央に位置する大規模都市ラダトーム。 アレフガルド全土を覆った『闇の衣』の影響で、 大陸一帯、大雪害となってしまっている。 『ゾーマの城』の対岸に位置する、 この城も被害を被(こうむ)る結果となっていた。 |
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「……どうなっておるのじゃ?」 全国民に避難命令を出した後、ラルス一世は自分も城内に入る。 勇者アイリが、『結界』を解いた後、 自分達も軍を投入するつもりで、待ち構えていたのだが……。 「アイリ殿は、『結界』を解き、 我々に勝機を与えてくれたのではなかったのか……。」 王は、そう言って項垂れる。 勘違いしてはならない。 彼女達は、飽く迄でも『ゾーマの城』までの道を開通させたに過ぎない……。 実際に大魔王ゾーマを倒せるかどうかとは別問題なのである。 『結界』を解いてしまった事により、 逆に世界が不利に陥ってしまっても不思議ではない!!!! __コレは、勇者殿が大魔王を倒すまで、我々も耐えねばならぬという事だな……。 ラルス一世は、対岸に位置するゾーマの城を見据え、嘆息した。 今は足止めを喰らっているが、 いつか必ず『雪』が消え、襲撃のチャンスが来る筈だ。 まだ、彼の闘志は潰(つい)えていなかった。 今までの『大魔王ゾーマ』の話を、全てまとめるとこうなる。 実際に大魔王ゾーマは、『氷』系の技を得意としている。 彼の強大なエネルギーは既に抑えきれない程に増幅しており、 今の異常気象の原因となった。 彼が死を喜ぶのは『死者の魂』を喰らい、糧としているからである。 それは、人間でも魔族でも別に構わない……。 (また、彼の中では『もがき苦しむ魂』が美味とされている。) 彼の目的は地上界侵略の妨げとなる『神竜』の封印。 ソレを実現させる為には、『神竜』と似た能力を持つ、 『地竜ヴァンベルト』と『天竜クライン』の『魂』を取り込む必要がある。 だが、2匹の竜神達は、好奇心から姿を人間に変え、人間界へ渡った。 その後、地上界『アリアハン』と『サマンオサ』に、 求める『竜神』と同じラストネーム(苗字)を持つ、 『代々勇者の家系』があることが解かる。 そして、ワザと地上界の勇者達を、 地下世界アレフガルドに誘い込む真似をした。 彼が取り込んでいる『勇者の魂』は、『勇者サイモン』の『魂』。 次の標的となったのは……? |
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