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勇者アクシズと勇者オルテガが、キングヒドラ相手に戦闘を続ける中。 勇者アイリ達は彼等を追う為に、 着実に最下層に向かって進んでいた……。 「何だか、寒くなってきましたね……。」 賢者ディートは、突然の室温低下に堪りかねて、二の腕を抱き締めた。 一同も、吐く息が白く変化したことを不審に思い始めていた。 イシュタル島にいた時は、アクシズの『マダンテ』の効果で、 地面が焼けるように熱かったので、気が付かなかっただけだ。 実際、地下世界アレフガルドは、大魔王ゾーマの放つ冷気で、 大雪害に見舞われている……。 そして、地上界もその巻き添えを食らっていた……。 やがて、エビル(バラモスエビル)がゾーマの事について、 思い出したように語り始めた。 「確か、ゾーマは別名『氷の王』と呼ばれていた……。 『氷の王』はミトラ神の命令で、 とある巨大生物を全滅させた神話がある……。」 「神様って、私達を救ってくださる存在ではないですの?」 僧侶リオが、悲痛な表情でエビルに問うた。 彼は俯き、首を横に振った。 「それは、私たちが勝手に決めていることだ……。 何も都合の良いことばかりではない……。 神は、世界を存続させる為に、見届けているのだ。 こちらが悪ければ、こちらが滅びる。」 「でも、ルビス様はおっしゃったわ……。 ゾーマを倒せって。」 勇者アイリが力強く言う。 胸に掛けられた『聖なる守り』を握り締めながら……。 __だって、今だって聞こえてくる……!! アイリにだけは、精霊ルビスの声が聞こえ続けていた。 常に彼女を正しい方向へ導いてくれているのだ。 臆する必要など無い。 だが、試練の時は、 一歩、また一歩と近づいていた……。 |
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