<2>
勇者アイリは、『虹の雫』で『ゾーマの城』の『結界』を解いた。
だが……。

「相変わらず、やり方が卑劣だな……。」

勇者アクシズは、相変わらず変身を解かないキング(キングヒドラ)を睨みつける。

ココは、『ゾーマの城』の地下に位置する、地下水路前。
勇者オルテガと、勇者アクシズは、共に橋の上に立ち、
ヒドラ族・魔王軍幹部キング(キングヒドラ)と対峙していた。
彼は、今は人間の姿を取っているが、ソレがよりによって『勇者アイリ』の姿だった訳だ。

高等なヒドラ族は、変身呪文『モシャス』又は、
呪文を使用できない者は対象を喰う事で人間の姿に変身できる……。
八叉ノ大蛇がかつて、卑弥呼に化けたように。
キングも、元は魔界の守護神『グランドラゴーン』に仕えた強力なヒドラ族である。
『モシャス』が得意な彼にとって、人間に化けることなど朝飯前だった。

「……。」
記憶を取り戻した勇者オルテガは、自分の娘・アイリに変身したキングに対し、
湧き上がる怒りを必死に抑えているようである……。
キングは、そんなオルテガに視線を移し、声高らかに笑い出した。
だが、『勇者アイリ』の姿と声のままだった。

__……!!?

オルテガは、そんなキングを目にし、顔を引きつらせた。
普通、親子ならば血の呼び合う温かな感覚がある筈だ。
ところが、そんなものは微塵も感じられないどころか、
逆に皮膚がざらつくような寒気を感じる……!!

……と、
この異常な状況に耐えられなくなったのか、オルテガが『雷神の剣』を振り翳し炎を呼ぶ!!!!
キングは『炎の耐性』を持っているのか、自らの掌で炎を受け止めると、
まるで物のように握りつぶしてしまった!!!!

「……オルテガさん!!?」

勇者アクシズが、突然取り乱し攻撃に出た勇者オルテガに驚愕し、視線を彼に移す。
オルテガは、肩で息をしながら、キングを鋭い目で睨みつけている……。
キングはヘラヘラと嘲笑ったままだ。
『雷神の剣』を握るオルテガの手に、更なる力が篭る。

__俺だって、腸(はらわた)煮えくり返ってるよ……。

アクシズはオルテガを見て、嘆息すると、
『ガイアの剣』を握りなおし、キングに向き直った。
そして強い口調で、挑発とも取れる言葉を放つ……!!!!

「キング。変身するなら、もっと上手くやれ。
 『本物のアイリ』はもっと可愛いんだよ……!!!!」

その言葉を合図に、戦闘が開始された!!!!
次へ
前へ
『DQ3』外伝CONTENTS