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『ゾーマの城』地下最深部。
大魔王の間。

全ての明かりが消え、闇の中で、大魔王ゾーマは瞑想をしていた。
彼の身体から、冷気が立ち込め、周囲が氷柱(つらら)に覆われ凍りついている……。

取り込んだ、数多の『魂』の影響であろうか……。
ゾーマの強大な冷気は、既にアレフガルド全土を覆いつくし、
ギアガの大穴を通って、地上界にも影響を及ぼしていた……。

一方、監視用の室内空中映像は、
城内に侵入した3人の勇者達の動向を生々しく捉えている。

勇者アクシズと、勇者オルテガは、既に1階玉座裏の隠し階段から、
城内を守る魔物達を倒しながら、徐々に最下層に向かっている。

勇者アイリ一行は、まだ城内1階にいる。
そして、彼女達は石像の沢山並ぶ部屋に入った。

ゾーマは突然目を見開き、右手を前に翳した。
……その矛先は……?



勇者アイリ達は、ゾーマの城1階の、石像の間に居る。
一同、不気味な光景に呆然となる。

そういえば、この城は、どこか魔界めいた装飾が施されており、
空気そのものが、異質だった。
一同、異様な世界に入った感覚がある。

「ここの石像……。
 生きているみたいだな……。」
エビルの嗅覚が微妙な違和感を捉える。
……と。

がしゃん!!

突如、鉄扉が天井から下りてくる……!!
一同は、驚愕し、後を振り返るが、同じく鉄扉に閉ざされてしまった!!

勇者アイリは、扉を開けようと、鍵穴を探すが見つからない。
今度は、賢者ディートが開錠呪文『アバカム』を使用するが、
まったく効果が無い……!!

__閉じ込められた……!!?

一同は愕然となるが、確かにココは敵の本拠地である。
罠が仕掛けられていても、当然である。

そう。
一行は完全に監禁状態になってしまったのだ。
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『DQ3』外伝CONTENTS