<4> | ||
勇者アイリ達は、『結界』に覆われた『イシュタル島』の前に着く。 魔王軍は、『勇者アクシズ』と『勇者オルテガ』を倒す為に総動員されているらしく、 彼女等を攻撃する事は無かった。 いや、先程現れた総司令官ブロス(バラモスブロス)がそう施したのかもしれない……。 __嫌な予感がする……。 アイリは、ブロスの身を案じ、緊張した。 彼は自ら仕える主君に向かって謀反を起こす気なのだ……!! そして、勇者2人は『結界』内で戦闘を続けている!!!! __彼等に『勝機』を……!!!! 勇者アイリは、『虹の雫』を両手で祈るような形で握り締め、 そして、天高く掲げた!!!! すると、同時に彼女の胸に掛けられた『聖なる守り』が光を帯びる。 『虹の雫』が光の粒子となり、『結界』周囲を回りながら纏わりついていく。 そして、彼女の足元から虹色の光の帯が発生し、 ソレはまるで橋を架けるようにアーチ状に伸びていく。 ……と。 ぱきぃぃぃぃん……!!!! ガラスを叩き割ったような透った音と共に、『虹の橋』が『結界』を突き破る……!!!! そして『結界』は光の粒子と共に崩れ始めた!!!! 「!?」 一番にこの異変に気がついたのは、 『イシュタル島』内部の勇者アクシズと勇者オルテガである!!!! 勇者2人だけでなく、魔王軍も突然の事態に驚愕する。 周囲を覆っていた『結界』が光の粒子と共に、 溶けるように崩れ落ちていくではないか……!!!! __アイリがやった……!!!! 活路を見出した勇者アクシズは、『ガイアの剣』を鞘に収めると、 両手を高らかに掲げ、全魔法力を放出した!!!! それは彼が15歳の時初めて『スライムベスの大群』に向かって放った技である。 あの時は確か、恐怖のあまり訳も解からず使用したらしいが……。 (彼は、スライム系の大群の『一斉ぎょろ目』が苦手らしい……。) ただ、魔法力が瞬時に無くなった感覚は覚えていた。 |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |