<3> | ||
「アクシズ君!!!! 今、どれ位進んだ!!!!」 地下世界アレフガルド。 『結界』に包まれた『イシュタル島』内部。 勇者オルテガは、魔物の軍勢を『雷神の剣』で切り裂きながら、 同じく戦闘中の勇者アクシズに叫ぶ。 アクシズは、次々襲い掛かる軍勢を、力任せに薙ぎ払う。 「やっと、島半分ってとこです……!!!!」 いったいどれだけ倒したのだろう……!!? 勇者2人は丸1日、不眠不休で闘い続けていた。 疲労と精神の限界値との闘い。 だが、魔王軍は彼等の休息を許さない……!!!! 敵は万、いや億だろうか。 四方八方から来る。 前、後、右、左、地上、上空、消えない無数の点の集まりに気が狂いそうになる!!!! それは、勇者2人の身体に纏わりつくように襲ってきては、 多量の青い血飛沫となって果て、また纏わりついてくる……!!!! 通常の人間ならば、最初の段階で果ててしまっただろう。 形さえ残らないかもしれない……!!!! だが、彼等は進んでいる!!!! 彼等の通った後には、魔物の死骸の山が道を成す。 だが、その死骸の山を蹴散らし、上方、後方から魔物達が襲い、 勇者2人の剣技の前に、また死骸の山を高くする。 __駄目だ。これじゃ、埒があかない……!!!! アクシズは、『ガイアの剣』を振り払いながら、唇を噛んだ。 ……と、その『ふとした考え』が隙へと繋がったのか、 後ろから来たトロルキングの拳が、彼の背中を叩き、アクシズは前方へ吹っ飛ばされる!!!! 「アクシズ君!!!!」 オルテガが思わず叫ぶ。 駆け寄りたくとも、彼の身体に魔物達が纏わりつき、剣で薙ぎ払っては避ける。 オルテガも自分を守るのに精一杯なのである。 アクシズが身を起こすと、大量の魔物達が覆い被さるように襲ってきた!!!! ……と、彼は咄嗟に爆発呪文『イオラ』を詠唱する。 プラズマ収束に溜め時間が生じ、魔物達の攻撃に負傷したものの、 凄まじい爆音と共に、広範囲の魔物集団が微塵になる。 だが明らかに、その威力は『イオラ』ではなかった……!!!! __これは、爆発呪文『イオナズン』……!!? 勇者アクシズが『イオナズン』を発動させたのを確認すると、 勇者オルテガが、その爆発を増長させる為、真空呪文『バギクロス』を放つ!!!! それは、上空の軍勢をも巻き込み、広範囲に渡って撃墜させていく。 ……だが。 一瞬、地上や空に隙間が出来たものの、またしても次の軍勢に埋め尽くされてしまった!!!! 「……本当に、しつこいな……。」 流石に顔を引きつらせ、勇者オルテガが嘆息する。 「ええ……。まったく……。」 勇者アクシズも嘆息し、両手の『ガイアの剣』を握り直した。 |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |