<5> | ||
「やっと来たようだな……。」 ゾーマの城。 地下最深部。 総司令官ブロス(バラモスブロス)は、自らも戦闘に赴く態勢で、 城内空中映像から『結界』内に侵入した勇者達の動向を見守っていた。 ……だが。 『こんなに馬鹿正直にやって来るのだから、 彼等にお茶でも用意しておくべきだったかな……?』 当の大魔王ゾーマは、さも嬉しそうに勇者達を見ている。 ブロスは、そんな闇の君主に疑惑を持ち始めていた。 『何処へ行く、ブロス……?』 その場を去ろうとするブロスを、ゾーマが呼び止める。 彼は一瞬狼狽したが、直ぐに体勢を整える。 「いえ。部下の士気を高めてこようと思いまして……。 何せ、奴らは勇者達に脅えているところがありますので、 戦闘に支障をきたすとコチラの落度になりますゆえ……。」 何とかその場を切り抜け『大魔王の間』から出ると、 ブロスはホッと胸を撫で下ろす。 そして彼の向かった先は地下司令室ではなく『違う所』であった。 『結界』に包まれたイシュタル島内部。 勇者アクシズと、勇者オルテガは戦闘状態に入っていた。 島全体の『結界』が邪魔し、地上から空から全くの隙が見当たらない!! 軍隊との戦闘を得意とする2人も、狼狽せずにはおれなかった。 「完全に逃げ場が無い戦いというのも乙なものだな!!!!」 オルテガは『雷神の剣』を振りかざし、炎を呼ぶが、 炎に耐性を持つ第2派が襲ってくる!!!! 電撃呪文『ライデイン』を詠唱し、オルテガは何とかその場を切り抜ける。 「オルテガさん!!!! 暢気なこと言っている場合じゃ、無いでしょう!!!!」 アクシズは叫んで目の前の魔物達を、剣でなぎ払い、両手の剣を振り下ろす。 次々魔物達の五体がバラバラになっていく。 生ある魔物達は、その様子に怖気付くが、 それをモノともしないゾンビ系の魔物の軍勢が彼の行く手を阻んだ。 アクシズは、即、『ガイアの剣』を地面に突きたてマグマを呼んだ。 次第に魔物達の死骸の山が高くなっていく。 だが、彼等の戦闘は始まったばかりである……!!!! |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |