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「ルビス様……。 私は、本当にゾーマを倒せるのでしょうか……?」 夢にまで見た、精霊ルビスの御前である。 勇者アイリは、今まで感じた全ての疑問に答えが欲しかった。 「ゾーマは、私達『勇者』を狙い、地上界を守護する『神竜』まで倒そうとしています。 もし、その野望を許してしまったら、世界は崩壊します……。 どんな聖なる血を授かった勇者だって、1人の小さな人間です……。 貴女方のような『神』ではありません……。」 『アイリ……。 ゾーマは、既に[勇者の魂]の1つをその身に取り込み、 更に強大な力を手に入れています……。 私は、地下世界を創りました。 それ故、ゾーマと闘うことは、彼らと同じように世界を崩壊させてしまうこと。 それは神竜とて、同じことでしょう……。』 精霊ルビスの言葉は、深くアイリの心に入ってきた。 一方、アクシズは相変わらず沈黙している。 自分の父サイモンの魂は、あの時まだ昇天していなかったのだ……!! それどころか、ゾーマの欲望の為に取り込まれてしまった……。 何処までも非道なゾーマのやり方に怒りが隠せないのか、 彼の拳は血が滲むほど硬く握り締められている。 精霊ルビスが両手を翳すと、光の中から不死鳥が飛翔した紋章が入った飾りが現れた。 そのまま、勇者アイリの手に渡る。 『[聖なる守り]です。 コレを持って、[聖なる祠]へ向かいなさい……。 私はいつでも貴女を見守っています……。』 精霊ルビスの姿が、光の中に消えていく……。 それと同時に、2人の『勇者の力』が戻る。 遅れて、ディートとリオが扉の錠を開けて入ってきた。 アイリはそんな2人に微笑んで『聖なる守り』を見せる。 「あ、もう復活させちゃったんですね……!? ……アクシズ?」 ディートは、ただならぬアクシズの殺気に驚愕した。 「何でもない……。」 彼は、俯くとゆっくり首を横に振った。 だが、ゾーマに対し、沸き起こる怒りは治まりそうになかった……。 |
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