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地上界。
盗賊ギルド主宰、『盗品オークション』会場。
その場所なのだが、あいにく『裏』社会の出来事なので、
申し訳ないが、伏せておくのが決まりになっている。

場所を知っているのは、カンダタだけで、彼が『キメラの翼』を放り投げると、
いきなり勇者達は会場内部に到着し、一切外の景色を拝む事が不可能となった。
帰りは、瞬間転移呪文『ルーラ』や『キメラの翼』だと頭をぶつけてしまう為、
戻り専用のみ使用可能の『旅の扉』が設置されている。
(もちろん、リターンは出来ない。)
主催者と参加者のプライバシーはかなり厳重に保護されているらしい……。

オークションが始まり、次々に珍しい品々が出てくる。
しかし、落札金額はどれも法外であった。
仲間達が落札金額に狼狽する中、タダ一人、アクシズだけが平然としている。
ギルド慣れしているのだろうか……?
アイリは、隣に座る彼の端正な横顔を見つめた。
……と。

「次は『太陽の石』です。
 最初は5000から……!!」

__いきなり『5000G』からかよ〜〜〜〜〜!!!!?

本命が登場したのはよかったのだが、いきなりの高額に一同は唖然とした。

「10000……!!」
アクシズが、声高に宣言する。
どうせ、落札してもその金額は、カンダタから返してもらえるのだ。
すると、好事家が彼に敵対したのか。
「10500。」
と吊り上げ宣言をしてきた。
「20000!!!!」
アクシズは、真剣な表情で宣言する。
「30000。」
何と、次は富豪コレクターが丼勘定のごとく額を上げてきたではないか……!!

「50000……!!!!」

躍起になったアクシズは、更に上に吊り上げた。
すると、皆黙ってしまう。
沈黙の後、主催者が声を張り上げる。
「他、無いですね?
 ……では『太陽の石』、50000で落札!!!!」

コレで無事、勇者達は『太陽の石』奪還に成功したのだった。

正直、こんな争奪戦は前代未聞であろう……。

アクシズ、ディート、カンダタの男3人はホッと胸を撫で下ろす。……が。
「やった〜〜〜♪」
アイリとリオは顔を見合わせ喜んだ。

__さて、後は……。

まったく帰る気が無い、2人の令嬢に狼狽しつつ、アクシズは嘆息し項垂れた。
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