闇の地下世界アレフガルドに、勇者達が降り立ち、早数ヶ月の時が過ぎていた。
魔王軍との戦闘も激化していたが、
勇者達の反撃の準備も着々と進んでいたのである。

だが、たまには息抜きも必要であろう……。
<1>
アレフガルド大陸、中央に位置する大規模都市ラダトーム。
『ラダトーム』城下町。

勇者アクシズはミニモンと宿屋を探して街中を歩く。
盗賊カンダタが「野暮用だ。すぐ戻る。」と言って出かけたので、今は2人だけである。

「ミニモン。
 ちょっと止まってくれ……!!」
アクシズは、前方の『何か』に気が付き、進み続けるミニモンを止めた。
言われて、ミニモンも巨大なソレに気が付いたようである。
「あれって、魔物かな〜〜……?」

__アレは、エビル(バラモスエビル)だ……!!

あんな巨大な魔物を見間違える訳無い……!!
しかも、幼馴染の賢者ディートも一緒である。
嬉しさと懐かしさの為、勇者の顔が思わず綻ぶ。

アクシズは、仲間の元へ駆け出して行く。

……が。

「ディート!!
 エビル!!」
叫ぶと同時に、なんとディートから『メラゾーマ』の火球が飛んでくる!!
アクシズは寸でのところで避ける。
しかし今度は、エビルから『いてつく波動』をマトモに受けてしまった……!!

__!?

……混乱呪文『メダパニ』でもかけられたのだろうか?
信じられない仲間の行動。
勇者アクシズは、思わず驚愕して腰を抜かした。

「どうやら、本物みたいですね♪」
「間違いない。本物だな。」
ディートと、エビルは顔を見合わせ、明るく微笑んだ。

「とにかく、無事で良かった!!!!」

だが、当の勇者は笑えない。

「殺す気かあああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!」

アクシズは、2人に向かって腹の底から絶叫した。
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