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一方、メルキド内部では、異変が起こっていた。 レジスタンス達にとっては見慣れぬ男が、街中に居る。 皆、その姿に気付き、唖然とした。 __どうやって、あの戦闘の中を入ってきたのか……!? ガライは、不審に感じながら男を見た。 緋色の髪、精悍で端正な顔立ち。 だが……、その瞳だけが非常に冷たい……!! 「あ、アクシズ!!!!」 街の護衛を任されていた戦士クリスが、その男の名を呼ぶ。 アクシズと呼ばれた男は冷たく微笑し振り返った。 「無事だったのか!! 皆が心配して……。」 彼女の言葉が突如遮られた。 何処から現れた鎌の先端が、クリスの腹部を貫いている……!! 「おかしいな。 これだけ倒しているのに、大将(キング)の姿が無い……。」 メルキド城門前でエビルは、不審に感じたことを口にする。 「さあ。元々、汚い奴でしたから、正攻法で来ないんじゃ……。」 自分で言ってディートは、顔面蒼白になった!! __正攻法で来ない……!!? ディートは、弾かれたように街の中へ駆け出していく……!! そして、その光景に愕然とした。 そこには惨殺され、血の海と化した、レジスタンス達の姿が……。 その中央にいたのは……、勇者アクシズ? あまりにも良く似ている。だが、雰囲気がおかしい……!! クリスは刺されたものの、幸い急所が外れた為、一命を取り留めていた。 彼女は、血の滴る腹を押さえながら、ディートに話しかける。 「ディート……、アイツはアクシズじゃない……!!」 「わかっていますよ……!!」 クリスに回復呪文『ベホマ』を施し、彼は強く答えた。 __アイツは『キング』だ……!! ヒドラ族は、変身呪文『モシャス』が得意だと聞く。 (ただし、呪文が使えない者は、変身したい者を喰らうしかない。) 『モシャス』は、一度見た生存者にしか変身出来ない為、 アクシズが、まだ生きている事を、彼に示すこととなった。 __でも正直、やりにくいですね……。 何処までも汚いキングのやり方に、怒りを覚えながら賢者ディートは拳を握り締める!! やがて勇者アイリ達も、異変を感じ街の中に入ってきた。 そして、その光景にやはり一同は驚愕する!! 中でも、一番驚きが隠せなかったのは、勇者アイリだった。 |
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