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やがて、一行は導かれるように、断崖絶壁の迷路を抜け、 『祠』を見つけることが出来た。 祠の中は意外に広く、しかも二階建てになっている。 一階は中庭になっており、闇のアレフガルドには珍しく、花が咲いている。 勇者アイリが中に入ろうとすると、 突然、彼女の前に妖精がしゃしゃり出てきて一行を通せんぼする!! 「あんた達、いったいココに何しに来たのよ!! あたしは、人間なんか大っ嫌いなんだからね!!!!」 彼女はエルフ族『お決まりの文句』で、アイリを牽制する。だが……? 「でもね。勇者オルテガは別よ? オルテガは好き。 ゾーマなんて、オルテガがやっつけてくれるんだから!!!!」 __え!? アイリは妖精の言葉に驚愕する。 「父さんが、ココに来ていたの?」 今度は、妖精が驚愕する番だった。 「オルテガを『父さん』って呼んだってことは、貴女『彼の娘』なの? ふ〜〜ん……。 確かに、何か『似てる』わね。 顔立ちとか、雰囲気とか、髪の色とか、目の色とか……。」 妖精は、アイリを上から下まで眺めると、今度は納得して胸を張った。 「よし!! 100歩譲って『合格』にしておくわ♪ 貴女、名前は?」 「アイリ。 アイリ・ヴァンベルト……だけど。」 「よし。 アイリ、付いて来て♪」 そう言って、妖精は階段を上って行く。 アイリ達7人は、捲くし立てる偉そうな妖精に唖然としていたが、 一同顔を見合わせ、共に頷くと、妖精の後について階段を上って行った。 祠の2階に着くと、美しい女性の精霊が待っていた。 精霊はアイリの顔を見て、微笑んだ。 「アイリ。 待っていました。」 アイリは、その声に思わず驚愕する……!! そう……。 2階に居たのは、アイリのアリアハン旅立ち前夜の夢で出てきた女性。 勇者アイリの最も『聞き覚えのある声』の主だったのである。 |
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