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「敵は1000体。こちらは3人。敵の総大将はサタン一人。 だが、サタンは諸事情により、私とアクシズ君を殺せない。 よって、彼とは私とアクシズ君の2人で行ったほうが損害は少ないだろう。」 勇者オルテガは語りながら、勇者アクシズに視線を移す。 彼は、同意して頷く。 「1000の敵は見たところ進行方向を中心に『扇形に隊列を組んでいる』様に見える。 こういった場合、両サイド・アウトコースはがら空きだ。 しかし、奴も考えている。『周囲地形は海で囲まれている』。」 勇者オルテガは、今度はサタンを睨みつける。 ……が、やはり彼の表情は落ち着いており、サタンは言い知れぬ緊張感を覚えた。 事実、彼はオルテガのパーティでの戦闘を経験していない……!! __奴は、いったい何を企んでいる……!? 「サタン様。指示を……!!」 「……う、うむ!! 皆の者、かかれ!!!!」 サタンは狼狽しながらも指揮を執る。 すると、1000体の魔物は一斉に勇者達目掛けて襲ってきた……!!!! アクシズは2本の『ガイアの剣』を地面に突き立てる。 『ガイアの剣』は彼の血に呼応すると地中よりマグマを呼び寄せ、 次々に大量の魔物達を飲み込んでいく。 ……と、カンダタがオルテガに『雷神の剣』を渡す。 勇者オルテガは『雷神の剣』を振りかざし、ベギラゴン級の炎を呼び寄せた。 すると、炎の熱さに耐え切れなくなった魔物達が 一斉に海へ飛び込んでいくではないか……!! __……なんだと!!? サタンは驚愕し狼狽する。 当の勇者達は無傷で疲労もない……。 「誰が、『わざわざ敵に聞こえるような話の内容で闘う』と言った?」 サタンに向かって、勇者オルテガは不敵に微笑した。 確かに、彼は『大群の隙を見て直接突入』のように思わせる発言をしたが、 実行するとは一言も言っていない……。 ちなみに、悪魔系は人間と近いところがある為、 『五感は人間とそう変わらない』らしい……。 海に囲まれた地形。 特殊効果を発する道具。 扇形に広がった1000体の魔物の軍隊。 何と、勇者オルテガは全てを計算に入れて指示していたのだ。 「ひゅ〜。 やっぱり格好良いねぇ〜♪」 カンダタが感心し、オルテガを絶賛すると、アクシズも力強く頷いた。 |
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