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取り敢えず、『オルテガの記憶喪失』の事は置いておいて、 アクシズは自分の目的だけを話すことにした。 「そうか……。 『君達』もゾーマを倒す為に旅しているという訳か……。」 オルテガが納得すると、カンダタが必死に否定する。 「お、俺は違います!!!! もう『お尋ね者』は人間だけで十分!!!!」 「カンダタ、別に謙遜しなくていいんだぞ?」 アクシズは微笑してカンダタの肩に手を置いた。 「そうだ。 『お尋ね者』は捕まらねばならぬ!!!!」 不意に、男の声がする……!! 何と、魔王軍幹部サタンがココまで来ているではないか!! しかも、彼は今回一人ではなく、悪魔系モンスターの軍隊を率いている。 その数半端ではない……!!!! 「勇者アクシズ……。 やはり、逃げていたか……。」 サタンは、思った通りと苦笑する。 オルテガは彼の、始めの言葉が気になり、アクシズに問う。 「アクシズ君。 君も『勇者』なのか……?」 「ええ。恐れながら……。 俺も、貴方と立場は一緒です。」 __……。そういえば、もう一人『勇者』がいたような……。 突如走る頭痛。 思わずオルテガは、左手で自分の額を押さえた。 だが、今度は魔物の大将は、自分に視線を移していた。 オルテガとサタンの目が合う……!! 「久しぶりだな。勇者オルテガ……。」 サタンは、微笑した。……が。 「誰だ?」 記憶を失っていたオルテガは、首を傾げた。 サタンや、現場にいた一同は、一斉にこけそうになる。 __まったくこの親子、先が思いやられる……。 アクシズは思わず苦笑する。 変に暢気な所が似ているというか……!! だが、緊張感が一度解れたとはいえ、最悪な状況には変わりない……。 「ミニモン。下がっていろ……。」 アクシズは、ミニモンに声をかける。 可哀相に……。サタンを裏切ってしまったミニモンは震えているではないか……!! 「大丈夫。サタンはお前を罰したりしない。」 小さな魔物の頭を撫で、勇者は優しく微笑む。 __……。 丁度その様子は、勇者オルテガの目にも映っていた。 |
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