地下世界アレフガルド中央に位置する、『ゾーマの城』。 島全体を覆う結界は、時折輝き魔法陣の模様を描き出す……。 |
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『ゾーマの城』、地下最深部。 闇の中で、『透明の筒の中』に一際輝く光がある。 「それは……?」 大魔王の間に訪れていた総司令官ブロス(バラモスブロス)は、 闇の君主にその光の正体を問う。 すると、彼は闇の中で微笑して答えた……。 『どうだ。美しいであろう? これが[勇者の魂]だよ。』 ブロスは、ゾーマの言葉に驚愕した。 それは、紛れも無く『勇者サイモンの魂』だったのである……!! 確かに、その輝きは他の人間達には無い神秘性がある。 「あ、暴れませんか?」 たとえ死んで魂だけとはいえ『勇者』である。 ブロスはゾーマに素朴な疑問を投げかける。 『サイモンの[精神]は封じてある。 [精霊ルビス]のようにな……。』 ……ただでさえ強大な力を持つ者が、何故、更に上を目指す必要があるのか!? ブロスは主の意図が読めず、困惑する。 丁度、その時であった。 偵察部隊長が報告をする為に、大魔王の間にやって来たのは……。 「こ、これ!! 大魔王ゾーマ様の御前であられるぞ!!」 ブロスは、部下の無礼を注意する。……だが。 「『勇者アクシズ』が脱獄しました……!!」 「な、なんじゃと!!!!?」 報告を聞いて、ブロスは驚愕する。 そんな彼を、意外にも大魔王ゾーマが制した。 『サタンを行かせたのであろう? それより、[勇者アイリ]の行動が気になる……。』 大魔王ゾーマは、キング(キングヒドラ)を呼びつけた。 何処から現れたのか、キングが主の前に平伏す……!! 『お前の部下を使い、[勇者アイリ]の行動を監視するのだ。 もし、不穏な動きがあった場合、アイリの仲間を全員殺しても構わぬ。』 「御意。」 元々、破壊と殺戮を好む彼のことだ。 願っても無い命令に、キングは嬉しそうに微笑した。 |
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