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『ルビスの塔』では脱獄した『勇者アクシズ』を奪取すべく、
沢山の魔物に追われる羽目に……。

「冗談じゃねえええ〜〜〜!!!!
 アクシズ、『リレミト』使えよ!!!!」

カンダタが叫ぶと、勇者アクシズは苦笑いした。

「すまないなぁ、カンダタ……。
 使えたら、とっくの昔に逃げている。」

「お、お前、呪文封じられてんのかよ!!!!
 つ、使えねええええ〜〜〜〜!!!!」

その時、新しく仲間になったミニデーモンが、『冷たい息』を吐いた!!
威力はそんなに無いが、不意打ちにはもってこいだったらしい。

「よくやった!!
 『ミニモン』!!!!」
カンダタが称讃する。
アクシズはその後の言葉が気になって、顔をしかめた。
「『ミニモン』?」

「『ミニデーモン』だと呼びにくいから、略して『ミニモン』。」

「そ、そんな安直な……!!」
アクシズは、カンダタのネーミングセンスを疑って嘆息したが、当の本人は……。
「ミニモン。僕、ミニモ〜ン♪」
と、喜んでいる。

__まあ、いいか……。

本人も喜んでいることだし。
アクシズは、ニコニコ顔のミニモンの頭を撫でながら、苦笑した。

相変わらず塔の魔物達は、しつこく追いかけてくる。
だが、『聖なる力を封印されている』とはいえ、いまの勇者は最強装備であった。
勇者アクシズ、盗賊カンダタ、ミニモンの3人は
協力し合いながらなんとか逃げ切る。
……っと、思いきや……。

一階扉の前で『びっしり埋め尽くされた大量の魔物達』の姿が……!!
「しつっこい……!!」
「勇者さま〜〜……。」
カンダタとミニモンが狼狽する。
「万事休すってとこか……!!」
……逃げられない。
3人がそう観念した時だった。

どおおおおおおん!!!!

爆音と共に、稲妻が走り、大量の魔物達が黒焦げになる。
アクシズが爆煙に目を凝らすと、一人の剣士が立っていた。
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『DQ3』外伝CONTENTS