<6> | ||
「何で、おめえが捕まってんだよ……!?」 狼狽しながら、カンダタがアクシズに問う。 「奴らにとって俺は、大事な『お宝』らしいからな。」 服裾の埃を払いながら、アクシズは平然と言った。 「どうせ囚われるなら、アイリの方が……。」 「……そんなことしたら、あいつらに『何されるか』解からんだろうが!!」 カンダタは、『囚われの姫君ならアイリが似合う』という意味で言ったのだが、 実際、キングの残忍振りを目にしていたアクシズには、 どうしてもそれが許せなかったらしい……。 「まあ、こんな所早く出ようぜ、アクシズ。 そのアイリが心配してんだろ?」 「ああ。」 カンダタは、丸腰のアクシズに気付くと、魔物から盗んでいた『雷神の剣』を渡す。 「他にもいっぱい剣はあるけどな。中でもコイツが最強だろ。」 アクシズはその剣を受け取り……。 がくっ……と、突然その右腕が脱力する!! 「どうした?」 まさか、幽閉期間が長すぎたのだろうか……!? カンダタは心配して勇者の顔を覗き込む。 「ち、力がいつもより入らない……!?」 「じゃあ、コイツならどうだ。」 カンダタは次に『ガイアの剣』を出してきた。 しかも、何と2本ある……!! アクシズは思わず驚愕した。 そんな彼に向かって、カンダタは更に言葉を続ける……。 「元々コイツは『両刀』モノだったらしいな。 ちょうど、ギアガの大穴落下地点でボロボロだったのを一本見つけたから、 マイラの鍛冶屋で鍛えなおしてもらっておいたんだよ。 それと、『ガイアの鎧』もあるぜ。俺は用意がいいんだ♪」 「なるほど……。両手剣(二刀流)だったってわけだ。」 『ガイアの鎧』があって『ガイアの盾』が無いのは、おかしいとは思っていた。 だが、『両手剣』ならば『盾』を持つ必要は無い……。 しかも、『ガイアの剣』1本の攻撃力はそんなに無いが、 2本揃えば本来の力を取り戻せる。 アクシズは、『ガイアの鎧』と、背中に2本の『ガイアの剣』を装備した。 丁度その時、お世話係のミニデーモンがアクシズの部屋に訪れた。 その中の様子を見て、彼は思わず驚愕する。 「ゆ、勇者様!!!!」 「何だ、コイツは?」 カンダタが、ミニデーモンを倒そうと斧を振りかざすが、アクシズの剣に受け止められた。 小さな魔物は頭を抱えて震えている。 「コイツは違うんだ。許してやってくれ。」 監禁されていたとはいえ、非情になれない彼に、カンダタは仕方ないと嘆息する。 「お前も一緒に来るか?」 アクシズが言うと、ミニデーモンは元気に頷き、飛びついてきた。 |
||
■次へ ■前へ ■『DQ3』外伝CONTENTS |