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「いや〜〜、有難う。一時はどうなることかと思ったよ。」 眠っている暴れ馬を小屋に戻しながら、青年はリオに感謝の言葉を述べた。 心なしか、彼女に対し照れて動揺しているようにも見えるのだが……? しかし、彼の男心に全く気付かず、リオは事の真相を確かめる。 「いったい、何で暴れていたんですの?」 「……それが、僕にも、サッパリわからないんだ。」 頭を掻いて彼は俯いた。 __……!? リオが、暴れ馬のいた所に視線を移すと、光る石のようなものがある。 __コレが原因ですわ……。 彼女は、徐にソレに近づくと、持ち上げてみた。 その鉱物は、見た目よりズッシリ重く、しなやかな光沢があった。 青年の名前はマルクという。 リオ達7人は、マルクの計らいで家に呼ばれ、持て成しを受ける事となった。 ……もちろん、大型のエビルだけは家に入れないのだが……。 「コ、コレ、『オリハルコン』やで!!!!?」 リオの持って来た鉱物を確認し、商人ミーナが驚愕する。 「し、信じられへん……。 ……こ、こんなにあっけなく見つかるもんなんや……。」 「お手柄じゃない♪」 「えっへん!!……ですわ♪」 盗賊エルマに褒められ、リオは胸を張った。 しかし、この家に来てからディートだけは、何だか機嫌が悪い……。 マルクはリオに一目惚れしてしまっている。 それを知ってから、マルクがリオに話しかけるだけで、無性にイライラするのだ。 もちろん、彼にとってはそんな感情は初めてである。 __僕は、本当に『賢者』なのでしょうか……。 ディートは、悩んで項垂れる……。 幼馴染のアクシズにも昔、「『賢者』に見えない。」と言われたことがあった。 ダーマ神殿の、大神官(賢者)の次男であり、 彼も父兄同様『転職の儀式』を司ることが出来る。 だがディートは『産まれた時から賢者』だった為、自分なりの悟りが開けていない……。 __父上は、どうして僕が旅に出るのを、許して下さったのだろう……。 彼は、目線を窓の外に向けた。 アレフガルドの闇は非常に濃く、彼の心まで暗くしていく……。 |
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