地下世界アレフガルドは、相変わらず闇の中にあった。
野生の魔物達は、その闇の力で凶暴化し、人々の生活を脅かしていた。
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「まったく……。
 今回は上手くいったから良かったものの、
 もし、失敗して殺してしまったら、どうするつもりだったのだ!?」

ラダトーム対岸に位置する、闇の城、ゾーマ城。
地下司令室では、総司令官ブロスが2人の上官に向かって説教をしていた。

サタンと、キングは『勇者アクシズ』を生け捕ることに成功したが、
後一歩間違えていれば、殺しかねない状況だったのである。
ブロスが怒るのも無理は無い……。

『勇者の魂』を手に入れるためには、
勇者を生きたままココに連れてこなければならない。

本来、『魂』というのは気体に近く、
一部の特殊な能力を持つ者しか見えないが、
魔物達にとっては当然のように見えるらしい。
中には、魂を餌に活動する魔物もおり、それが人間に恐れられる原因にもなっている。
要するに、彼らにとっては『重要なエネルギー源』でもあるわけだ。
もちろん、これは殺すより残酷な話である。

「今後は、一切の勝手な行動は許さんぞ!!!!」
ブロスの怒号に、サタンとキングはひれ伏し一応謝罪の仕草を取る。

「それで、何故我々を探していたのですか?」
サタンが話を切り替えた。
総司令官ブロスは咳払いをすると口を開く。
「うむ。『勇者オルテガ』の所在が確定した。」

__!!?

サタンとキングの表情が凍りつく。
……と言っても、キングだけは相変わらず、ヘラヘラした表情をしているのだが……。

「その場所は?」

「奴は今、『マイラ』地方に向かっておるらしい。」

__マイラだと……!!?

サタンは思わず驚愕する。
その場所は、今しがた勇者アクシズを監禁する為、行って来た場所ではないか!!

だが、かつての『宿敵』はそこにいる!!

サタンは額に汗を浮かべ、まるで古き友との再会を喜ぶかのように微笑した。
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