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「ずっと、貴女を待っていました……。」 アイリが泣き止み、落ち着くのを待った後、 竜の女王は凛とした表情に戻り彼女を見つめた。 女王は懐から、金色の宝玉を取り出す。 最初はオーブだとも思ったがどうも大きさが異なる。 直接アイリに手渡す。 宝玉は、彼女が手にしたとたん、待っていたかのように輝き始め、 周囲を眩いばかりの光で覆う。 「『光の玉』です……。」 女王が宝玉の正式名称を、勇者達に告げた。 その名を聞いて、エビルが驚愕する。 「じょ、女王様!!? 『光の玉』は神竜一族の秘宝なのでは……!!?」 そんな大事な物を何故!? ……と、エビルは狼狽するが、女王は構わず続けた。 「……大魔王ゾーマの脅威は、遂に地上界にも及ぼうとしています。 『光の玉』で、大魔王の『闇の衣』を剥がせるでしょう……。 ……是非、貴女達の手で……。 ……これから、産まれてくる……、 ……私の赤ちゃんの……為にも……!!」 「女王様!!!!」 突如激しく苦しみ出した竜の女王を支え、アイリは叫んでいた。 胸に『光の玉』を抱えながら……。 女王は物凄い力でアイリの肩を掴み、苦しみに耐えていた。 その瞬間……!! __卵が……!? 何と、卵が無事産み落とされたではないか……!! 「……。」 女王が、最期に微笑み……、動かなくなった……。 「女王様……!?」 アイリは、女王の身体を揺する。 だが、彼女は動かない……。 ……そう。 ……もう二度と。 「……女王様。 ……赤ちゃん……、ちゃんと産まれたよ……。 おめでとう……。」 竜の女王の冷たくなった身体を抱き締め、アイリは祝いの言葉を述べた。 頬を涙が伝う……。 エビルは何も言えず、その場に立ち尽くしていた。 |
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