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__こんなことって、あんまりです……。 リオはアイリを家に帰した後、唇を噛んで悔しがった。 アイリは、このことを一切家族にしゃべらなかったが、 心労と同時に旅の疲れもあったのか、自室でぐっすり眠っている。 「…ちくしょう!!!!」 アクシズは拳で地面を激しく殴りつけた。 __俺は、俺はアイリを守れなかった……。 「どうしようもなかったのだ……。 自分を責めてどうなる。」 エビルは項垂れるアクシズの肩に手を置いた。 「アクシズ様……。」 リオが心配そうに、しかし、決意を込めた表情でこちらを見ている。 アクシズは徐(おもむろ)に立ち上がって何か言いたそうな少女を見つめた。 「行ってあげて下さい。」 __無謀な事言っているって、解かっています……。 でも可能性があるなら……。 「アイリを元気付けてあげて下さい。 アイリは勇者です。 でもアイリにとっての勇者はアクシズ様だけなんです。」 「……。」 それが何を意味するか(ミーナ以外の)誰もが理解出来る。 アリアハンで生まれた女子は、 素敵な勇者様に守ってもらうのが夢なのだ。 だが、自分自身が勇者である為、 アイリにはそんな小さな夢さえ抱かせてもらえなかった。 彼女は年頃になっても女性らしい夢を抱くことも、 人並みに恋することも許されなかった……。 「……でも、アイリの家が何処か解からないんだが……。」 皆が注目している。 アクシズは、少し照れて、しかし肝心のことを聞いた。 リオの表情が、ぱぁ……っと明るくなり、どんっと胸を張った。 「案内します。まかせて下さい♪」 |
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