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__……!? 胸騒ぎを感じて、アクシズが反応する。 刹那、ギアガの大穴を覆っていた闇の衣が消え、 それは巨大なただの穴となった。 「ディート!! アリアハンだ。 アリアハンへ急ぐぞ!!」 アクシズは咄嗟に叫んだ。 一同は同意し頷くと、ルーラで飛んだ。 到着後、門へ向かって走ると警備がいない。 不審に思って城下町へ入る。 巨大なエビルを目の当たりにした町の住民が腰を抜かすが、 一行は気にせず城門に向かった。 「アクシズ様!!」 リオが真っ先に勇者アクシズ一行に気が付き、 ドレスの裾を摘みながら駆けてきた。 「何があった?」 「分からないんです。ただ、もの凄い嫌な気を感じて……。」 「アイリは?」 リオが直ぐ傍の城を指差すと、弾かれた様にアクシズは城内に駆けて行く。 「あ、待って!!」 リオ達もアクシズの後に続いて駆け出した。 __間に合わなかった…!! 既に会場内は異臭の立ち込める灰に塗(まみ)れていた。 かがんで灰に触れる。 __これは死体の灰……。生存者は……? 顔を上げて立ち上がると、3人の姿が目に入る。 呆然と佇(たたず)む国王。 慌てふためく大臣。 そして、自責の念に苛(さいな)まれ、 絶望して膝をついたまま動けないアイリがいた……。 彼が最も恐れていたことが起こってしまった。 「何があったんですの?」 リオが瞳に涙を浮かべ、 それでも気丈に自分の祖父の大臣に問いただす。 「大魔王ゾーマが現れおった……。 現れて、ワシらの目の前で大量虐殺をしおった……。」 言って彼は胸の上で十字を切った。 彼女は、次にアイリの前に急いだ。 「アイリ……。」 「……カルチェが死んじゃった……。 私、何も出来なかった……。」 「そんなことない。そんなことないです……。」 リオは幼馴染を優しく抱きしめる。 しかし、ゆっくりその手は振り払われた。 「リオ……私の傍にいると、貴女まで不幸になっちゃう……。 私は、疫病神なの……。 お願い。私に近づかないで……。 パーティを解散しましょう……。 皆、自由に生きていいからね……。」 「アイリ……!?」 リオは驚愕した。 他の仲間達もすっかり変わってしまったアイリの姿を目の当たりにし動けずにいる。 しかし、それすら目に入らないのか、彼女は立ち上がって国王の前にひれ伏した。 「アイリ……。」 「陛下。私は大魔王ゾーマを倒します……。」 「ならん!!」 国王は首を振って拒否した。そして、子供をあやすように優しい口調になった。 「……よう、頑張ってくれた。もう、下がってよいぞ。」 |
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