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アレフガルド南東に位置する、リムルダール地方。 勇者オルテガは、『リムルダール』の町を目指し、 旅を続けていた。 しかし今独りではなく、彼を慕ったマイラの警備兵が旅に同伴していた。 警備兵の名は、ダイラスという。 オルテガは正直なところ、彼を重荷に感じていた。 ダイラスは、20歳そこそこの青年で、マイラの村で一番強いとはいえ、 アクシズやカンダタのように、超人的な強さを持っているわけではない。 要するに、強くても普通の人間なのだ。 「あ、オルテガ様……!! リムルダールが見えてきましたよ。」 ダイラスは嬉しそうに前方の町を指差し、オルテガに笑いかけた。 勇者は嘆息し、苦笑いする。 __こんなことなら、アクシズ君達を連れてきた方が良かったかもな。 オルテガは未だ記憶の戻らない、自分の頭を抱える。 思い出そうとすれば、また闇に葬り去られる感覚がある。 確かに、この記憶喪失は、どこか変だった。 意図的に、誰かがワザと記憶を消したかのようである。 オルテガは、もはや不審に思わずにはいられなかった。 『マイラ』の村。 3日目。 アクシズと、刀鍛冶は、一睡もせず、 しかも飲まず喰わずで『王者の剣』を鍛えていた……!! 滴る汗の為、2人とも上半身裸になっている。 『王者の剣』は、確実に完成に近づいていた。 『ガイアの剣』の力で魔法力を使わないにしても、 彼自身の血の力をそのまま与えているのだ。 命を削っているのと同じである。 アイリは、そんなアクシズが心配で仕方なかった。 毎日通っては、遠目から祈るように彼を見つめる。 そして……!! がきん!!!! 最後の槌の音が鳴り響いた。 「出来た……!!」 同時に言って、2人はその場に座り込む。 疲労より達成感の為、彼等の表情は明るい……!! ……と、アクシズは気を失って倒れた。 どうやら血の力を使い過ぎたらしい。 アイリは、思わず彼の元へ駆け寄った。 |
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