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サマンオサ地方南の洞窟に行くことが決まり、 アイリが持つ地図を頼りに南下することになった。 いや、相変わらず俺とは口利いてくれないんですけどね……。 しかも、お互いに仲間が不在ということで二人きりだ。 ……気まずい。 洞窟に入り探索を続けるが、どうしても他の道が見つからない。 仕方ないので、もう一度穴だらけの広間に出てみる。 「多分、コノ中のどれかが怪しいんだよな〜。」 俺は穴を覗き込んだが、暗くてよく見えない。 不意に誰かが俺の背を押した。 ちょっとまて!! その誰かって、アイリしか……!? いきなり落下。 着地し損ねて何処かしら打つ。 「……って〜!!」 「ご、ごめんなさい。 大丈夫?」 起き上がろうとすると、なんとアイリが俺の上に乗っている。 同時に落ちたらしい……。 「あ、あの、さっきはごめんね……。 その、初めてで、どう受け止めたらいいか分からなくて……。」 「……落とし穴が、か?」 アイリは首を振って、顔を真っ赤にした。 そして、囁くような小さな声で……。 「じゃなくて…ね……。 ……キス……。 あのね……。 本当は嫌じゃなかったの……。」 次に彼女は頬を染めて俺の目を真っ直ぐ見つめる。 「嬉しかったよ。」 __……!! 俺は堪え切れなくなって、アイリを抱き締めた。 「アクシズ…?」 ……好きだ。 俺はアイリが好きなんだ…!! なのに、奴の言葉に惑わされそうになって、悩んでいた……。 「やっぱり……渡せない……。」 「……。」 言葉には出来なかったが、俺の気持ちを解かってか否か、 彼女は俺の背中に手を回し抱き返してきた。 距離感が即座に縮んだどころか、引っ付いてしまった気がする。 __……? 今まで気が付かなかったが、何か奥で光っているような……。 アイリも気が付いたらしい。 俺達は身を離すと、その光の方へ向かった。 「『ラーの鏡』!?」 アイリがその光の原因を持ち上げてみる。 確かに普通の鏡にしか見えない。 しかし、手鏡にするには大きいサイズだった。 __これで奴の正体を暴けるぞ!! 俺はずっとこの日を待っていた。 今こそ奴の化けの皮を剥がして、サマンオサを救ってやる!! |
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