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「元々、魔物ハンターギルドからの依頼だし……。 むこうは『シルバーウルフ』がモンスターだと思っているみたいだから、 適当に何か捕まえて連れて行けばいいんじゃないか?」 俺はため息交じりに、エルマに言ったが……。 「ここまで侮辱されて黙っているものですか!! あたしは諦めないわよ!! 自分の故郷でコソドロするほど、あたしは小物じゃないわ!!」 ……逆効果だった。 エジンベアなんか行かなきゃよかった……。 依頼受けてこんなに後悔したのは初めてだ……。 数時間前、怒り狂う彼女に誰が同行するかでかなり揉めたのだが……。 「僕は絶対行きませんよ!! アクシズがルーラしてくださいね!!」 「私に、細かい作業が出来ると思うか?」 ディートとエビルが断固拒否する……。 結局、俺が行く羽目になったのだった……。 __……門番は寝ているみたいだな。 夜のエジンベア城の警備はかなり薄い。 これでは、コソドロでも簡単に浸入出来るだろう。 「あ、アクシズ様ですわ。」 聞き覚えのある声? 振り向くとアイリとリオが、俺の後ろに何故かいる。 「アクシズ。 どうしてココにいるの?」 「聞きたいのはこっちだよ。 何でお前達がココまで来てるんだ。」 __でもまあ、おかげで気まずさから解放されたが……。 「門番が通してくれないから、ランシールで『消え去り草』買って来たんだけど……。 夜は必要なかったみたいね。」 そう言ってアイリがいたずらっぽく微笑む。 可愛いよ。本当に……。 俺達4人は、結局一緒に城内に突入する形となったのだが……。 「『ちいさなメダル』がありましたわ〜♪」 「ねえ、見て。見て!! 地下に『渇きの壷』があったわよ!!」 「よしよし。上出来!! よくやったわ。二人とも♪」 __……お〜ま〜え〜ら〜なぁ〜〜〜……!! 「頼むから、今は真面目にやってくれ!!」 駄目だ……。 今日は本当に調子狂う……。 ……と、俺が心底諦めかけた時だった。 __人影!? 人影を追跡すると、簡単にソレは捕まえることが出来た。 そのまま片手で胸倉を掴み最大まで持ち上げると、奴の足が浮いた。 「むぐぐぐ、は、離せ〜〜〜!!」 「お前が、コソドロ?」 「うぐべ!!」 手を離すと奴はあっけなく尻餅をつく。 俺はそのまま頭を掴みマスクを剥ぎ取った。 「……!?」 男は驚愕して、俺を見た。 そのまま這いつくばって逃げようとするから、 足を引っ掛けたら男は転んで顔を強打する。 「連行だな……。」 俺が言うと、男は観念したらしい。 よほど効いたのか、しばらく鼻を押さえてうずくまっている。 __……ちょっと、やりすぎたか……。 |
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