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「何だ。 そこにいるではないか。」 「……。」 俺とエビルが地上界に戻ると、目撃情報現場にソレはいた。 ……思わず脱力する。 __やけに『貧弱なドラゴン』だな……。 そのドラゴン。 確かに森林を貫く巨体ではあったが、どこか「ひょろひょろ」していた。 エビルが首を傾げる。 「あれはドラゴンではないぞ? 呪文でなっている奴ではないのか?」 __竜変化呪文『ドラゴラム』……!! しかし……。 「貧弱だな……。」 「ああ。」 俺とエビルは棒立ちになって、そいつを見ていた。 「アクシズの方が立派なドラゴンだぞ。」 「だから、俺は人間だっちゅ〜の!!」 俺の何処がドラゴンに見えるんだよ。 まったく……。 「取りあえず、どうする。」 「暇つぶしに覚えた技を試してみる。 少し風が起きるから下がっていてくれ。」 そういってエビルは、ドラゴンに向かって『いてつく波動』を放った!! 直ちに呪文の効果はかき消され、煙のようにドラゴンが蒸発。 そして後には、目を回して倒れている若者の姿が残った。 「いや〜、本当に助かりました。」 男は頭を掻きながら、俺達に感謝の言葉を述べる。 「制御できないのに、高等呪文使おうとするなよ。」 俺がため息交じりに言うと、男は「はい。」と謝った。 「あ、それから、僕の呪文を解いてくれた『ぬいぐるみ』の方にもよろしくお願いします。」 __ぬいぐるみ……。エビルが『ぬいぐるみ』!? こ、これは、魔物とばれなくて良かったと言っていいものかどうか……。 このミッションは変な意味で疲れた……。 俺は普段よりゲンナリして、コノ場を離れることになった。 はぁ〜……。 |
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