<2> | ||
目撃情報は『レーベ村付近の森林』……と、なっている。 洞窟の中とかではないらしい。 ……だが、それらしき痕跡が見当たらない。 __森林が荒れていない? 確かこういう分野に得意な奴が、俺の仲間にいた……。 さっそく呼びに行こうっと!! 俺がルーラした先は、天界。 ……相変わらずコロシアム会場で暇そうにしている。 「別にいいが……。」 『エビル』 は、欠伸(あくび)をしながら返事する。 彼は、『バラモスエビル』という上級モンスターで、とてもいい奴なのだが、 背格好が魔王バラモスに似ているところから、中々地上界に降りようとしない。 しかも、その迷惑な『魔王バラモスと親戚』だとか……。 「……人間に見られると五月蝿いのだが……。」 「大丈夫。 その時は俺が上手くフォローする。 とにかく、お前なら魔物の生態に詳しいし、俺じゃドラゴンを見つけられなかったし。」 「ドラゴンの生態は独特だからな……。 お前のようにな……。」 __……はい? エビルは、まるで「俺がドラゴン」みたいな言い方をした。 思わず驚愕する俺。 「知らなかったのか? 元々、『クライン』と『ヴァンベルト』は最上位ドラゴンだぞ。 私達の間では有名で、知らないと恥ずかしいくらいだ。」 ……そ、そうだったのか? い、いまいち、この辺の文化の違いがわからないが……。 「同族のお前が解からないのでは、私が同行する以外ないようだな。」 ……て、いうか俺は人間なんですが……。 「面目ないです……。」 一応謝るが。 ……まさか、エビルが俺の仲間になってくれた理由って? い、いや、ここはあえて聞かないでおこう!! ……多分、俺の思考が泥沼化すると思うから……。 |
||
■次へ ■前へ ■DQ3外伝『小説』CONTENTS |