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俺達は闘いを止めて海を見つめていた。
……と突然、浮いていた『しびれくらげ』達が沈み始めたではないか!!

ディートは徐に立ち上がると、呪文を使用する為身構えた。
その矛先は。
……そうか。武器量産工場か!!
しかも、今は『しびれくらげ』騒動で労働者達が非難している為、
中は無人だ……!!

怒りの形相。そして、呪文は放たれた!!

「イオラ!!!!」

どおおおおおん!!!!

凄まじい爆音と共に、工場は炎上。

城を壊さないよう考慮したのか、彼はイオ系中級呪文を使用。
それも内部爆発を起こすよう、工場内部でプラズマを収束するように距離調整。
……本当に見事だった。
相変わらずコイツの呪文の使い方は天才的だ……。
……これなら、ディート貸出期間の話も頷ける……。
この戦闘には関係ないが……。

『しびれくらげ』大群は夕方頃には完全に沈んでしまった。

「見て!!」
アイリが何かに気が付き海を指差す。

__あれを全部食ったのか……。

そう……。そこには……。
油やヘドロが完全に消えて美しさを取り戻した海があった。
そんな『しびれくらげ』達を不憫に思ったリオは
昇天呪文『ニフラム』を唱え、彼らを天国に送る。

……そう。
たとえ魔物であろうと彼らは地獄には相応しくない。

海が魂の光に包まれ、天空に昇って行く様は美しく、
そして俺達に本当の正しさを教えているようだった。

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DQ3外伝『小説』CONTENTS