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俺達で3人、アイリのパーティで4人、
合計7人総掛かりで一斉に『しびれくらげ』に攻撃を仕掛ける。
……が、やはりいっこうに減る気配を見せない。

やがて、一人、また一人と音(ね)を上げ始め、闘えるのは俺一人になってしまった。

__……くそ。どうなってやがる……!!

溜まった疲労を隠すように身構える。

「も、もう辞めましょう……。アクシズ。」
傍でヘタっていたディートが、俺を止める。
「だ、だが……。」
「……僕も賢者です。
 この『しびれくらげ』異常発生の原因が、何か他にあると……。
 ……あ!?」
「どうした。ディート……!!」
「あれは……。」
……そう。
彼の指差す方向に、その原因はあった……!!

__武器量産の為の工場……!?

しかも、かなり巨大な……。
「アレの動力源は何です!?」
ディートは、疲労で凹んでいるジークの胸倉を掴んで、必死に問い詰める。
「ど、動力源?」
「そう!!
 動力源は、何ですか!?」

……今まで見せなかった幼馴染の迫力。
俺はただ見ていることしか出来ない。

「……石油……だが?」

ジークが圧迫感に耐えかねて答えた。
……そう言われてみれば、この海岸一体、油が浮いている。
「ひ、ひどい……。」
汚れた海を目の当たりにし、アイリが今にも泣きそうな声で呟いた。

「……父上が勝手にやったのだ……。
 私は反対した……。
 だが……。」
聞き入れてもらえなかった……と言いたげに、ジークは砂を握り締める。

__だから、俺達に参戦すると言ったのか……。

海の傍の住民は、皆、海を守るものだと思っていたのだが。
中にはそうでない者もいるらしい……。
……しかし、いったいどうすれば……?

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DQ3外伝『小説』CONTENTS